第172話 あみだくじ
「あ、その水着……」
ビーチについて、私が上着を脱いで水着だけになると、さっそく葉幸くんは気づいたようで少し頬を赤くなっています。
(葉幸くんにそんなふうにされては、こっちまで恥ずかしくなってしまうじゃないですか……)
私が着てきたのは、以前葉幸くんに選んで貰った白の水着でした。
私たち2人が、お互い恥ずかしがって目を合わせられないでいると、そんな間に他のみんなも合流してしまいました。
「えっと、まずは何をやるん予定なんですか……?」
星宮さんが、少し遠慮がちに葉柚さんに聞くと、葉柚さんは「ふっふっふっふ……」と不気味に笑った後に、何かの紙を取り出しました。
「これは……
あみだくじ、ですね…?」
美雪ちゃんは確認しながらも、何をやるのかピンと来ないようで首を傾げています。
そんな美雪ちゃんの確認に葉柚さんはコクリと頷くと、さっそく説明をはじめました。
「今から、夏の定番!
日焼け止め塗り合いっこ大会をはじめまーす!
ペアはこのあみだくじで決めます!」
(日焼け止め、塗り合いっこ!?)
これは、もしかしてあれですか!?合法的に、葉幸くんに触ったり触られたりできるイベントですよね!?
(これは、絶対に葉幸くんとペアにならないと……)
周りを見てみると、どうやら私の他に星宮さんも葉幸くんを狙ってる様子です。
(ここは、絶対に勝ち取らなければ!ですね!)
それぞれの希望ペア
葉幸→???
心夏→葉幸
葉柚→心夏
マーガレット→美雪
美雪→マーガレット
咲美子→葉幸
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