第145話 質問
「おはよぉ姉さん……
こんな時間にごめん」
時刻は朝5時。日曜日の、まだみんなが眠っている時間にリビングで携帯を弄っていると、私に昨日話を聞いて欲しいと言ってきたもう1人の人物であるさちくんが部屋に入ってきた。
「いいよいいよー。
さちくんがお姉ちゃんに相談なんて滅多にしないからね〜?」
からかうように言うと、さちくんはちょっと顔を赤くして俯いてしまった。
「それで、どうしたの?
最近もちょっと変だったけどやっぱり悩み事?」
さちくんはコクリと頷くと、私と反対側の椅子に腰を下ろした。
「悩みもあるし、あと姉さんに聞きたいことがあって」
「聞きたいこと?」
「姉さん、心夏とかひよりさんと、僕の仲を取り持ってたよね?」
さちくんの目は、もうその事を確信しているみたいで残念だけど言い逃れ出来そうになかった。
「ま、まぁちょっと手助けしたりはしたかなー?」
実際はちょっとじゃない気がするけど、「ちょっと」なんて人それぞれ違うし、私が「ちょっと」って言えばそれは私基準の「ちょっと」になるから問題ないと思う。
「やっぱり……
姉さんいくら僕に友達がいなくて可哀想に思ったからってさすがにあれはやりすぎだよ……
あんなの友達になるためにやらせることの度を超えてるよ……」
ん?友達になるため……?
あれ?おかしいぞ?
「えっと、さちくんは今まで心夏ちゃんとかひよりちゃんがやってた事は全部友達になるためにやってた事だと思ってるって事?」
「え、違うの?」
あー……。うん、理解した。
これは大変そうだなぁ……
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