第144話 大事な話
「葉柚さん、こんな遅くにごめんなさい……」
心夏ちゃんにアドバイスした1日後、土曜日の夜中に私はひよりちゃんに大事な話があると言われてリビングにいた。
「んーん。全然大丈夫。
それで、話ってさちくんの事だよね?」
ひよりちゃんは、さちくんの事で相談がある時にはいつも顔を赤くして恥ずかしそうにしながら私にアドバイスを求めてくる。
──あんな可愛いところみたら、普通の男の子は一発だと思うんだけどなぁ……
私としては、なんでさちくんがここまでアピールされてるのに好意に気づかないのか不思議だけど、それは後で聞く予定だし、今の1番はひよりちゃんだ。
「いつもすみません……」
「いーのいーの。それで、どうしたの?」
「えっと……。宝田心夏に、このままじゃさちが取られてしまう気がして──」
それからひよりちゃんは、最近の心夏ちゃんとさちくんの事やさちくんとひよりちゃんのことについて手短に話してくれた。
「なるほど……
つまりひよりちゃんは、一発逆転できる方法がないか考えてるってことだね?」
「まぁ簡単に言うと、そうですね……」
(ひよりちゃんには今まで沢山アドバイスしてるけど、なんていうか思い切りがたりないんだよね……)
最後の最後に恥ずかしさが勝っちゃってる感じだ。
「一発逆転ね……
あるには、あるかも……?」
でも、なんというかこれは、ハイリスクハイリターンな感じになってしまう。
主に私が……
「聞かせてください!」
もちろん、そんなことを知る由もないひよりちゃんは藁にもすがる思いだ。
(こうなったら、どうにでもなれだ!)
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