第143話 相談

「葉柚さん、まずいです……」


金曜日の夜、私は心夏ちゃんに頼まれてみんなが寝静まった時間にリビングにいた。


心夏ちゃんはとても深刻そうな顔をしている。


「どうしたの?何かあった?」


「相談したいことがあるんです……」


「相談?」


多分、さちくんとの事で間違いない。今日や昨日の心夏ちゃんの様子はどこか落ち着かない感じでいつもの心夏ちゃんらしくないところがあった。


「実は──」


それから心夏ちゃんは、相談したい事と、そうなった経緯を事細かに伝えてくれた。



「──というわけなんです……」


「なるほどね〜。

ちょっとやりすぎちゃったわけだね」


「はい……

私、葉幸くんに痴女と思われてるかもしれないと考えるとどうしたらいいか分からなくて……」


心夏ちゃんの話によると、火曜日に勢い余ってキスしてしまいそうになった時以来、どう攻めたらいいか分からなくなってしまったらしい。


「うーん……。

さちくんはそんなこと思ってないし思わないと思うよ?」


「そうでしょうか……?」


さすがに心夏ちゃんもこればっかりは不安みたいだ。


「心夏ちゃん、それじゃあ1つだけアドバイス。

さちくんは──」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る