第130話 年上完璧お姉ちゃん

「心夏ちゃーん!こっちだよ!」


お願いしたその日のうちに荷物をまとめて葉幸くんの家にやってくると、待っていたと言わんばかりに葉柚さんが出迎えてくれました。


「ちょっ、姉さん。ほんとに僕の部屋に泊める気?」


「だって、さちくんの都合で泊めることになったんでしょ?それだったらお姉ちゃん的には許可してる訳じゃないんだし、葉幸くんが自分でおもてなししてあげるのが当然だよね?」


「そんなめちゃくちゃな……

そもそも、姉さんだってのりのりで宝田を迎え入れてたじゃ──」


「はーいはい!うんうんそうだね〜?

心夏ちゃんこっちがさちくんの部屋だよ〜」


「お、お邪魔します……」


葉幸くんの部屋は思っていたよりもずっと広くて綺麗にされていました。本棚にはタイトル事に綺麗に漫画が並べられています。


「ちなみに、私の部屋は隣だけど入っちゃダメだよ?」


「うん、それは僕もオススメしない。

足の踏み場すらないし」


「ちょっ!そういうことわざわざ言わないでよ!

せっかくの年上完璧お姉ちゃんイメージが壊れるでしょ!?」


「そんなイメージは元から無いと思う」


この2人は、いつも通り仲がいいですね……

少し、羨ましく思えてしまいます。


「まぁいいよ……。

宝田を泊める部屋なんて元々僕の部屋しか無かった訳だしね」


(部屋余ってないんですね……)


葉幸くんの家はかなり大きいですし、余っている部屋に泊まることになるかも、と思っていましたがどうやら運が良かったみたいですね。


ともあれ、ここからは私の番です。必ず、葉幸くんに私のことを意識させて見せますからね!

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