第129話 対抗心?

「じゃあ私から!」


「お手柔らかにお願いするよ……」


「私のお願いは、これから期末テストまでの間、勉強を教えてもらうっていうのなんだけど、いいかな?」


期末テストまでの間っていうと、あと1ヶ月もありますが、まさか2人っきりでやるというわけじゃないですよね……?


「別にそれくらいならいいけど、ロータスは結構勉強できるんじゃないの?」


「英語はできるんだけど、数学とか化学が出来なくて……」


「そっか。なら、放課後この図書室に来てくれればいつでも付き合うよ。最近ずっとサボってたせいで放課後の図書室当番はしばらくずっと僕だから」


「うん!分かった!」


放課後の図書室!?

それって、今の図書室内を見てみれば分かる通りもうほとんど2人っきりですよね!?


負けてられませんね……

まぁロータスさんにその気がないのは分かっているのですが、それでも何となく対抗心のようなものが燃やしてしまいます。


「宝田はどうする?」


「そうですね……」


図書室で2人っきりにも負けない何か……


「同じ家で暮らす、とかでしょうか……?」


「「え?」」


その瞬間に、図書室は静まり返ってしまいました。


も、もしかして私今の声にでて──


「さ、さすがにそれは親の許可とか……」


「いや!違うんです!今のは──」


その時、私の頭の中で簪さんの言っていた言葉の数々が蘇ります。


『同じベットで寝た!』


『膝枕だってしたしさちは私の事を名前で呼んでくれるようになった!』


ここで引くことは、例えロータスさんに勝ったと言えても簪さんに勝ったとは到底言えません。


それなら……


「いいえ、違わないですね。

改めてもう一度お願いします。私をしばらくの間、葉幸くんの家に泊めさせてもらえませんか?」

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