第131話 問題は次々と

「とても広いお風呂でした……」


「ちょっ!?ほ、宝田さん?

何をなさっているんですか!?」


お風呂から上がっきた宝田は何故かタオルをまいているだけの状態で僕の部屋に入ってきた。


今まさに、ほぼ裸の状態の宝田が目の前にいる。


「着替えを持っていくのを忘れていまして……

や、やっぱり恥ずかしいですね……

あんまりみないでくださいよ?」


顔を真っ赤にした宝田が、そんなことを言うものだから僕は固まっていた体を無理やり180度まわして宝田に背を向けた。


しかし

問題というのは次から次に発生するもので……


「あ……

着替え、家に忘れました……」


「え…?」


絶体絶命とはまさしくこの事。

もはや打つ手は……


「そうだ、姉さんに服を貸してもらおう」


きっと姉さんなら僕を助けてくれるはず。そう思って僕は携帯から姉さんにメッセージを飛ばしてみると、すぐに返事は帰ってきた。


『さちくんのお客様なんだから、さちくんがおもてなしするんだよ?なので私の服ではなくさちくんの洋服をかしてあげてください』


「ひどい………

こんなのあんまりだよ神様……」


僕は仕方なく、タンスから僕の持ってる中で1番大きなシャツを取り出した。宝田は身長は僕と同じくらいだしこれで大丈夫なはずだ。

本当はズボンも貸したいところだけれど、さすがに下着なしでズボンをはかせるわけにもいかない。


「ごめん宝田。姉さんの服借りれなかったからとりあえず僕のこの服でお願い」


「あ、ありがとうございます……」


き、気まずい……


服を着た宝田は「もう大丈夫ですよ」と言うので、振り返って見てみたものの、シャツの丈ギリギリでそこからのびる綺麗な脚は非常によろしくない。


何か話をしなければ、そう思っていた時に有難くも宝田の方から話を振ってくれた。


「葉幸くんは漫画が好きなんですよね?

好きな漫画とか教えてもらえませんか?」

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