第115話 夜ご飯
「今日はここまでかな」
「疲れましたぁ……」
「心夏頑張ってたよ!」
気づけばもう7時と、休憩を挟んでいたとは言えかなりの時間ピアノについて教わっています。
コンコン
扉を叩く音がして、私たちは一斉にそちらの方を見ると半分開けたドアから葉幸くんが顔だけだして私に手招きしています。
「どうしたんですか?」
ドア付近まで来ると、葉幸くんがエプロンをしているのが分かります。
(な、なんて言うか……すごくいいです!!!)
「宝田達の分まで夜ご飯作ったんだけど、よく考えたら食べていくか聞いてなかったなーって思って……」
「そういう事でしたか。
でしたら頂いて帰ってもいいですか?」
「う、うん。ロータスにも聞いてきて貰えないかな?」
「はい、いいですよ」
ロータスさんに聞いてみると、「今日は夜ご飯ないから是非お願いします!」と、言っていました。
それから、リビングに移動した私たちの前には美味しそうなカレーが用意してありました。
ロータスさんと葉柚さんは余程お腹が空いていたのか、カレーを見るなり走って席に座ると物凄いスピードでカレーを食べ始めました。
「ありがとうございます、葉幸くん」
そんな光景を見守っている葉幸くんの横にならんでお礼を言うと、葉幸くんは驚いた顔をしました。
「いや、むしろこっちがありがとうだよ。僕はピアノの事とか分からないからこういうことでしかサポート出来ないけど、応援してる」
「──っ!そ、そうですか。
でしたら、もっと頑張らないとですね!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます