第101話 似合ってる
試合の開始時刻も近づいてきて、体育館には多くの人が集まり始めたところでその2人はやってきました。
「なんでお面つけてるの…?」
「わかんないよ……」
「運営からの刺客らしいよ」
「何それ〜」
ざわざわと小さな声で決勝戦を見に来た人達が喋り始める中、葉幸くんは1人で肩を震わせて笑いをこらえていました。
「どうしたんですか?」
「あまりにも似合ってるから、ちょっと面白くて……」
そんな調子で話していると、仮面の2人のうちの1人がやってきました。
──葉幸くんのお知り合いでしょうか…?
「何が似合ってるのか説明してくれるかな?」
(あ、あれ…?)
あまりにも、聞き覚えがありすぎる声です。
よく見ると身長も同じくらいですし、この人って……
「あ、あの?違ってたらごめんなさいなんですけど、もしかして葉柚さんですか?」
そう声をかけると、その葉柚さんと思しき人は私に顔を近づけてきて仮面に手をかけると……
「せいかーい!さすが心夏ちゃん!」
外れた仮面の下からでてきたのは、思っていた通り葉柚さんのお顔でした。
「私もいるよっ!」
「きゃっ」
そんな声と共に後ろから抱きつかれます。
この声も、よく聞いた事のある声です。
「あ、ごめんね?ビックリさせちゃったかな?」
後ろを見てみると、やっぱりそこには美雪ちゃんがいました。
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