第94話 譲ってあげる
私たちの試合終了からほんの少しして、準々決勝の4試合全てが終了しました。
準決勝に上がったペアには、私たちのペア以外全てにバドミントン部、もしくは経験者の人が入っていて誰が優勝してもおかしくないと思います。
「頑張れよー!」
「ファイトー!」
そんな中でも、一際目立っているのが今私たちの反対側で声援に手を振っている星梨さん達です。
「時間になったのでジャンケンでどちらが先にサーブをするか決めて、始めてください」
そんな星梨さんに審判の方が声をかけました。
しかし……
「好きな方、譲ってあげる」
「え?」
「だから、あなた達にサーブをやるかレシーブをやるか決めさせてあげるっていってるの。
別にいいわよね?」
星梨さんはそう言って睨むように審判を見ると無言でコクリと頷きました。
「では、レシーブで」
「分かったわ」
それから、すぐに私たちはそれぞれ位置について星梨さんのサーブから試合が始まりました。
パンッ!
羽柿くんの鋭いスマッシュを体勢を崩しながらもなんとか返します。しかし……
パンッ!
星梨さんのスマッシュが私の顔めがけて飛んできます。私は、反射的に腕で顔をガードして衝撃に備えました。
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