第90話 負けてくれないかな

『おぉぉ!!!!』


バドミントンの最初の試合の中で一際目立っていた試合、それが今決着しました。


「21ー0って……

相手の方が逆に可哀想」


「そうですね……」


今回のバドミントンは21点を先に取った方が勝ちというシンプルなルールです。

今の試合、A組の羽柿はがきくんと星梨ほしなしさんのペアは完璧な連携で相手を圧倒していました。

聞いた話によると、2人は幼馴染で今でも一緒にいることが多いらしいです。

加えて、2人ともバドミントン経験者らしくかなり手強い相手なことは間違いありません。


「あの二人、途中で負けてくれないかな……」


あの二人は第2試合、私たちは第7試合のためこのままお互い勝ち上がっていけば次の次の試合、準決勝で当たることになります。

しかし、そのプレーを見ていると残念ながらあの二人が負けることは想像しにくいです。


「まぁそれよりも今は、私たちの試合ですよ」


羽柿くん、星梨さんペアから少し遅れて次々と試合が終わっていきます。


『第1〜第4試合までの全てが終了しました。

第5〜第8試合に出場する生徒は準備をしてコートに入ってください』

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