第88話 大丈夫そう

「わぁ!ピンク色で可愛い!」


「そうですね!」


(この2人パフェ好きすぎでしょ……)


前に来た時に2人であの巨大パフェを食べきった時にはさすがに驚いた。


「あの、店員さん。ここってカメラの撮影とかってしても大丈夫なんですか」


カメラの撮影…?

あぁ、ここが写真撮影とかできない店か確認してるってわけか。


「はい、大丈夫ですよ」


私的には今時撮影できない店はそんすると思うんだよね。やっぱり若めの人達に拡散してもらった方が儲かると思うし。


「やった!」


確認が取れると、彼女はすぐに手に持っていたカメラで撮影を始めた。


その間に、私はもう1人の方──宝田心夏に声をかけてみることにした。


「最近の調子はどう?」


「普通です。

2年生でも同じクラスになりましたし、今はお友達として頑張っていますよ?」


2年生でも同じクラス…?お友達……?

あ、なるほど。多分さちとの関係がどんな感じかって聞かれたと勘違いしてるんだこれ。


それにしても「今は」ね……


「そうですか。

それなら大丈夫そう」


「今は」リードしてるし、大丈夫と思う。

でも、彼女はもう春休みの頃とは違う。とても強力なライバルになってしまったみたいだ。


──まぁもしあの時みたいにまだ「好きなのか分からない」とか言ってたらどうしようかと思ったけど、これなら大丈夫そうだね


私はそんな彼女を見て少し安心、それと同時に気を引き締め直して自分の持ち場に戻ることにした。

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