第84話 早く倒して
お昼ご飯を食べ終えてから1時間。
ゾンビのゲームを再開した私たちは遂にラスボスの部屋の前にやって来ていた。
「さち、大丈夫?」
「う、うん。多分……」
「じゃあ行くよ──」
そして扉を開けて、ラスボスが画面上にドアップで表示されたその時……
「やっぱむりぃぃぃぃぃぃ!!!!」
「何こいつきもっ!!!」
プツン
勢いでテレビの電源を切ってしまった。
──だってしょうがなくない?引くほどキモかったよ?ほんとに生理的に無理ってレベルだったよ?
いや、今はそんなことより……
「むり……むり……むり……むり…」
葉柚さんの言っていた通り、さちは余程怖かったのか私の膝に飛びついてきて今もくっついたままブツブツと何か言っている。
「うーん……。思ってたのとは違ったけど、まぁこれはこれで子猫?みたいで可愛いしいいかな?」
「むり……。姉さん、早く倒して……」
あれ?私を葉柚さんと勘違いしてる……?
「さち〜?
私、お姉ちゃんじゃなくて簪ひよりですよー?」
「ひよ…り……?」
さちは私の膝から上目遣いに私を見てくる。
「そうそう!ひよりだよ。ひーよーり」
「ひより…さん?」
──さちが私を名前で……!
「よし!任せて!ひよりさんがさちのために、あのキモイのボッコボコにしてあげるから!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます