第60話 町案内(駅)

私たちは町案内の最初に、学校から徒歩10分ほどの場所にある駅にやってきていました。


「私はあまり利用しないんですけど、ここから隣町に行くと山があって登山ができたりそれより先に行くと海があるんですよ」


「そうそう!夏には友達と海に行ったりするんだよね!」


「そうなんですか!?

私子供の頃に行ったっきりで海がどんなところかも知らないので1度行ってみたいです!」


ロータスさんは海に興味津々なようで興奮気味です。


「そっかそっか!なら夏にはみんなで行こうね!」


「はい!」


ロータスさんは元気よく返事をした後に、今度は私の様子を伺うように見ます。

それをみた葉柚さんも一緒になって私をみて「心夏ちゃんいかないんですか?」と目で訴えかけてきます。


「お2人がいいのでしたら、私もご一緒──」


「やったー!」


「やったね!」


まだ最後まで言ってないのに、2人は仲良くハイタッチをしています。

しかし、こうなってくると恐らく葉幸くんも……


「うっ……」


予想通り、私と同じような状態に葉幸くんもなっているようです。

葉幸くんは私に「助けて!」と口パクで伝えますが……


(夏休みに葉幸くんと予定が出来るのなら……)


背に腹はかえられません。

申し訳なく思いながらも、葉幸くんに口パクで「ごめんなさい」と伝えるとそれで心が折れてしまったのかすぐに「分かった。いくよ」と言ってくれました。


「よ〜し!夏休みの話も程々にして、次はショッピングモール行ってみよーう!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る