第59話 忘れてた

「どうしたんですか葉柚さん?」


いつもなら一緒に帰る時は靴箱の前や正門の前なので待ち合わせをしていますが、直接来たということは何か用があるということなのでしょう。


「うん、今日はマーガレットちゃんに用があってね。

朝聞いたんだけどマーガレットちゃん昨日引っ越してきたばっかりって言ってたから町の案内してあげようかなと思ってきたんだ!」


「会長さんも案内してくれるんですね!?

ありがとうございます!今ちょうど、心夏と葉幸を誘っていたところだったんです!」


話を聞いたロータスさんは葉柚さんの手をとって目をキラキラとさせて葉柚さんを見ています。


「よーし!そうと決まればまずはどこに行くかを決めないとね!さちくんもこっちかもん!」


葉柚さんは明らかに「めんどくさい」という感情を表にだした葉幸くんを手招きして呼び寄せます。


「姉さん、僕行くとか言ってないけど……」


「さちくんは強制だよ?」


「はい?」


「だからさちくんは強制なんだよ?

だって今日家の鍵忘れてるでしょ?」


「え…?」


葉柚さんに言われて葉幸くんはカバンの中を一通り調べます。そして……


「忘れてた……」


「でしょ?だって家出る前にさちくんの鍵家にあるの見たからね」


「持ってきてくれれば良かったのに……」


「忘れた方が悪いんです!」


こうして、葉幸くんの町案内の参加が決まり案内する場所は駅、ショッピングモール、商店街に決定するのでした

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