第44話 ファミレス
「ここがそのファミリーレストランですか……」
通称「ファミレス」と呼ばれるここには数える回数しか来たことがありません。
友達と遊ぶ時はあまりこういう場所にはこないので、なんだか新鮮な気持ちです。
「今どきファミリーレストランなんて略さずに言う人絶対ココナッツしかいないよね……」
「何か言いましたか?」
「い、いや何も言ってないよ?」
美雪ちゃんが何か言っていた気もしたのですが……
独り言だったのかもしれませんね。
「そ、そんな事より!早くパフェ食べよ!」
美雪ちゃんはそう言って先にお店に入っていってしまいました。
私も美雪ちゃんの後をおってお店に入ります。
「いらっしゃいませ〜♪2名様でよろし──あれ?心夏ちゃんだ!」
「葉柚さん!?」
私たちを出迎えてくれたのは人違いなどではなく、間違いなく葉柚さんでした。
いつもと違って髪をポニーテールにしているのは接客をするからなのでしょうけども、とてもよく似合っていて可愛いとおもいます。
「え…?もしかして生徒会長さん!?」
美雪ちゃんも気がついたようでとても驚いた顔をしています。
「心夏ちゃんのお友達さんもこんにちは。それで、2名様でいいんだよね?」
「は、はい!」
美雪ちゃんは葉柚さんを前に緊張でカチカチになっています。
それもそのはずで、葉柚さんは学校ではみんなの憧れと言われるほどでファンクラブの会員は男女共に多く在籍し100人は軽く超えているとのことです。
──まぁ、ファンクラブがあるというのがそもそもおかしいのですが……
「はい、じゃあこちらへどうぞ〜」
そんな葉柚さんに接客をされてカチカチになった美雪ちゃんがロボットのような動きで席に座るのを見て、私と葉柚さんはクスクスと美雪ちゃんに見えないように笑うのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます