第13話 休日のココナッツ(1)
今日は土曜日、1週間の中で2日しかない休みの日のうちの1日です。そんな日に、私は友達の美雪ちゃんとショッピングに訪れていました。
「今日は付き合ってくれてありがとうココナッツ!」
「いえいえ、私も暇でしたし勉強ばかりしていても気が持たないので息抜きにちょうど良かったです」
「ちょうど春ものの服が欲しくてね〜」
「そうですね……。後3ヶ月もすれば春になりますし、私も買っておいた方がいいかもしれません……」
「ココナッツは自分で選ぶとロクなことにならないからね。私が選んであげましょう!」
ロクなことにならない、というのは私の服選びのセンスがあまりにないからなのだそうです。今日着てきたものだって美雪ちゃんが選んだもので朝鏡を見た時にも「これでいいのかな?」と思ったくらいでした。
モール内を歩いていつも私達が服を買っているお店に2人で入るとさっそく美雪ちゃんはお店の中をぐんぐんと進みます。
「美雪ちゃんは何を買うか決めているんですか?」
「決めてないよ〜。とりあえず先に、この前ここに来た時にココナッツにすっごい似合いそうな服を何着か見つけたからそれを試着してもらおうと思ってるよ〜。すぐにとってくるから試着室で待ってて!」
「わ、わかりました……」
そして試着室で3分ほど待っていると……
「おっまたせー!」
試着室にやってきた美雪ちゃんの手には買い物カゴ。そしてその中にはパッと見て10着ほどのお洋服が入れられています。
「じゃあまず最初にこれ!来てみて!」
キラキラと瞳を輝かせる美雪ちゃんを断ることが出来ずに渡された服を持って試着室に入ります。
「これは長くなりそうですね……」
私は試着室の中で1人、ため息を零すのでした
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます