第8話 下駄箱
告白してない男子生徒が残り1人と知ってから2日たった今日、私はひとまず告白してない男子が誰なのかを突き止めることから始めることにしました。
「きりーつ。れーい。ちゃくせーき」
他のクラスよりも少し早く終わった今日はクラスのみんなも浮かれているようでこの後どこで遊ぶのか話し合っている生徒も多く見られます。
「ココナッツ〜。一緒帰ろ?」
そして、私のところにも友達がやってきます。
でも今日は……
「ごめんなさい美雪ちゃん。今日は私やることあるから先に帰ってもらってていいですか?」
「そっかぁ。分かった!じゃあまた明日ね!」
少し残念そうな顔になった後、笑顔で手を振った美雪ちゃんは他の友達の方に行ってしまいます。
(よし、私も行きますか……)
私は誰もいない廊下に1人で出ていき、とある場所に到着します。
そのとある場所とは──
「宝田、何してるんだ?」
不意に、通りかかった先生に声をかけられます。
「3年生に少し用事のある方がいまして…それでここで待っているんです」
「そうか。でも下駄箱前は冷えるからな。なるべく早く用事は済ませて帰るんだぞ?」
「はい、分かっています」
そう、私が来ていたのは3年生の下駄箱前。3年生が帰る際には必ず足を運ぶ必要のある場所です。
やがて、3年生の授業も終わりたくさんの先輩方が私の隣を通り過ぎていきます。私は通り過ぎていく男子全ての顔を確認していきます。
1時間後……
「3年生にはいないみたいですね……」
下駄箱を確認しても全て上靴に変わっています。事前に先生に確認して今日は3年生に休みがいないことも分かっているので3年生の男子生徒は全員が既に私に告白していることがわかりました。
明日は2年生、そう決めて私は帰路につくことにするのでした
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