第7話 ココナッツ
昼休み、いつもなら騒がしいはずの教室は最近静かになりつつあるようで、誰が告白したとかされたとかの話もあまり聞こえてこなくなった。
「最近、ココナッツちゃんの話聞かないよね……」
「どうしたんだろうねココナッツ。それとも学校の男子全員が振られちゃったとか?」
「いやでも全員振られるってありえる?それにココナッツちゃん好きな人いるって言ってたし……」
「そうだね……。それじゃあその人と付き合い始めた、とか?」
「いやでもココナッツだよ?そんな話があったらすぐに広まっちゃうでしょ」
「それもそうだよね……」
反対に、後ろのいつも僕にちょっかいを出そうとする女子は珍しくその方面の話をしているようだが……
え?ココナッツって何?あだ名だよね?
どうやったら名前からココナッツが取れるのかは分からないけど、僕はココナッツ好きだよ?(聞いてない)
「ねーねー眠り姫ちゃんはどう思うー?」
今日はちょっかいは出されないという僕の勝手な予測は打ち破られ、後ろの女子は僕の前までやってきて耳に囁いてくる。やめろ!くすぐったいじゃないか!
「すぅ……すぅ……」
「なーんて、起きてるわけないかぁ!」
キーンコーンカーンコーン
「はーい、全員席につけ〜」
──今日も、生き残りました
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