第6話 困ったこと
私は、職員室前で、秘密のメモ帳をペラペラとめくっていき、考えを巡らせます。
これは、私が告白してきた男子生徒のことを知っておこうと思ってつくったメモ帳です。告白してきた方の名前くらいは知っていた方がいいと思って作ったそのメモ帳にはびっしりと名前や、その人の特徴などが記されています。
(周りの男子に告白してない人はいなかった、ですか……)
昨日の男子の言葉を思い出してメモ帳を閉じもう一度考えます。
(やっぱり301人から告白されてる。確かこの学校の全校生徒数は607人だったはずだしもしかしたら……)
あの男子生徒の後、別の男子生徒からも告白されていた私はその「もしかしたら」がない事を願いながら職員室の扉をノックして中に入ります。
「どうしたんだ宝田?何か用でもあるのか?」
「先生に1つ聞きたいことがありまして…。この学校にいる男子生徒の総数を教えてもらえませんか?」
「男子生徒の総数?どうしてそんなことを……。まぁいい、ちょっとまってろ」
先生はそう言うと、少し離れた席で座っている教頭先生のところに話に言ってすぐに帰ってきました。
「302人だそうだ。それだけでいいのか?」
「はい、十分です。ありがとうございました」
私は先生に会釈をして職員室から出ます。
「困ったことになりましたね……」
私はそう独り言を呟き、今日のところは帰路に帰ることにしました
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