第9話 学校生活を守るために

時刻は朝の6時30分。まだ1月ということもあってまだ辺りは薄暗い中、僕は1枚の用紙を仕上げ、既に完成した4枚の紙に重ねる。


「お〜浜辺、出来たみたいだな」


「はい、一応確認はしておいてください」


入ってきた先生に5枚の紙を手渡す。

その5枚には、それぞれ数学の単元事のテスト問題が数問書かれている。


「いや〜いつも助かってるしまた次も頼むぞ?」


「「頼む」というのは違うでしょ……。

強制みたいなものですし」


「ほう?なら浜辺は頼まれなければやらないのか?」


「いや、やります」


これは僕の学校生活を守るためにやっている事だし仕方ないことだ。僕とねえさんと先生の協力無くして僕の今の学校生活は守られない。


まぁ簡単に言うなら、授業中に寝られなくなるのだ。


「ははっ!浜辺も寝てばかりいないでちゃんとしてればいいのにな」


「いやですよ。退屈です」


「そうか。それは残念だな……」


先生は去り際に小さくそう言って教室から出ていく。


(よけいなお世話だ……)


授業だって、少し先の範囲まで家で予習しているし理解がすんでいるから聞く必要はない。

それに周りの生徒で僕と同じような考えをもっている人なんていないと思うし仲良くできるとは思えない。


──それに僕は体質とか性格上、人と関わっても相手に苦労をかけるだけだし……


「ふわぁぁ……今日はもう寝るかな」


いつもなら少し本を読んだりもするのだけど、今日はいつもより頭を使って眠くなってしまった



「おやすみ……」

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