第38話 百合の頂上同士のアヘ顔勝負、遂に決着!

<これまでのあらすじ>


 百合に生まれてよかったー! と幸せを噛みしめるシスコン姉の[もみじ]でーっす!


 わたしと愛する妹の[ちいゆ]が住む百合ノ島、その支配権を賭けて“深紅の百合”と五番勝負の真っ最中!

 

 二勝一敗一分けの中、百合ノ島の島長、[燕佐(えんさ)]さんと“深紅の百合”グラシア《頂点》のクレちゃんが遂に激突! なのに勝負方法が“指一本でアヘ顔させる勝負”。

 

 何だか“乳首当て勝負”とか“イかせる絶頂勝負”とかエロ勝負多すぎないー!?

 って勝負始まったんですけど。


 “深紅の百合”を体の快楽で掌握するクレちゃんが燕佐さんの胸に指先をぐりぐり。

 対する燕佐さんは指先でクレちゃんのうなじをしゅるりぃ~んと愛撫。


 見てるだけでキュンキュンしてくるふたりの指先使いにわたしもちいゆも周りのみんなもハァハァ状態!


 わたし達の方が先にアヘ顔になっちゃうよー!

  

 

 ♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀



「んぅ!」


 脇腹に食い込むクレちゃんの指先に、燕佐さん歯を食いしばりながら色っぽい声を上げる。


「はぁん!」


 おへその周囲をなぞる燕佐さんの指使いに、背筋を仰け反らせたクレちゃんがセクシーな吐息を吐く。


 なんか指先でタッチする部分が徐々に下へ向かってるんですけど。

 それにしてもさすが百合ノ島島長と深紅の百合グラシア《頂点》、見てるだけでお腹の奥がキュンキュンしてくるよー! って、見ているみんなも悶々としちゃってる!


「オ、オホホッ……こ、ここまでやるとは、正直驚きですわ」

「ふっ、心にもない事を。さあ、そちらの番ですよ」

「オホ? 何をお焦りになってるのかしら?」


 クレちゃんのギラついた目が周囲に動く、そしてある方向を見て口元に笑みを作った。

 とっさにその方向へ目をやる。


「う、くう……」


 燕佐さんの妹であり、この五番勝負を司会する燕奈さんが腰を曲げ、自分の体を抱いている。

 その顔にいつもの豪快さはなく、快楽に抗うよう口を歪め、気のせいかマイクを持ってない方の手が自分の胸を揉んでいるように見えた。


「はっ……はぁぁん」


 その向こうでは一番下の妹である燕華ちゃんが虚ろな目で二人の姉を見ていた。

 両手は何故かおしっこを我慢するよう股間に当てられている。

 気のせいか、手をもぞもぞ動かしてる気が……。


「オホッ! オホホホホホ! あらあら、全世界の百合の方々の前で可愛い妹たちが快楽に溺れる姿を曝すのに耐えられないのですね、オホッ! オホホホホ――ホゲッ! ゲヘェ! ホゴヘェ!」

 

 燕佐さん! 普段表に出さないけど、燕奈さんと燕華ちゃんを心から大事にしてるんだ――当然だよ! あたしだってちいゆのそんな姿を人前に曝すなんて絶対ダメ! ダメダメ――ってちいゆー! 自分のお股に手やっちゃダメー! 


「ゲホゥ……隙ありっ!」


むせたしゃがれ声に前を向けると、クレちゃんがアッパーカットみたいに、右手の人差し指を燕佐さんの両足の付け根に突き立てるのが見えた。


「ぐぅ!!」


 燕佐さんが両手を握って必死に堪える。


「一瞬の隙が命取り! もう手遅れですわ!」


 クレちゃんの指先が更に股間に食い込む。


「んぅ!!」


 愉悦と悔し気な入り混じった、形容しがたい声。

 そんな声を上げた燕佐さんが宙を仰ぐとそのまま後ろに倒れた。


「燕佐さん!」


 思わず叫びながら気付く、あのお腹の奥がきゅんきゅんする変な気分が消えていた。


「あ? うう……」


 燕奈さんもそうなのか、何となく揉んでるように見えた自分の胸から手を放し、慌てて周りを見ている。


「あ、姉貴!」


 燕奈さんが上を向いて倒れている燕佐さんのもとへ駆け寄り、顔を覗き込んだ。


「うう……」


 手を口に当て、今にも泣き出しそうな顔になった。

 ここからは見えないし、わたしは見たくないけど、きっとそこにはアヘ顔があったのだろう。


「五番目の勝負……し、深紅の百合の……勝ち!」

 

 司会の役を貫く燕奈さんがマイクを通してへ絞り出すような声を上げた。


「オホッ! オホーッホッホッホッホ! 勝ちましたわ! これが“深紅の百合”グラシアの実力! そして体の快楽こそが正義! が証明されましたわね!」


 天に舞い上がる程嬉しいのか、クレちゃんが蝶々みたいに両手をふわふわ上下に動かながらその場でくるくる回っている。

 そんな浮かれ蝶々なクレちゃんから、心の愛を求めるドレちゃんに目をやると、沈痛な顔で俯いていた。


「どうです、全世界の百合の方々! このクレちゃんがこの島を支配することに異論ありませんわよね、あるわけございませんわよね! もう決まりですわよね!」


 中腰のガニ股になったクレちゃんが巨大スクリーンに指を向けてがなり立てる。


「こらー! オホホお嬢ー! まだ二勝二敗だろー! バカ言ってんなよー!」

「そうじゃー! 百合神様の前でホラをこくでないわー!」

「ホラこきには神罰がくだりまするぞ!」


 いり子ちゃんと双子ロリ巫女の罵声に燕奈さんも調子を取り戻したみたい。


「ちょーっとクレちゃん、二勝二敗一分けなので次の一戦で決まりとなりますー。よろしいですかー?」

「よろしいですわ! ところでどうしますの?」

「と、いいますと?」

「“いいますと”もイースター島もございませんわ! 次の一戦、当然これまでのメンバーから選出するのでしょう? 深紅の百合はわたくしが出ます、ですがそちらは誰が出ますの?」


 え!? そういえば…………あ! 頼りになるわたしの親友、イブちゃんがいるよ~――――って乳首当て勝負で受けた胸の傷でぐったりー!

 そうだ、あの変態絶倫相楽さんがいたー! って、何でアヘ顔で横たわってるの!? まさか今の勝負の余波でオナ〇ーバテしちゃったのー?

 となると心を読める最強超能力者、燕華ちゃん――――はうぅ! こっちも今の勝負の余波でゲロ袋を口にしてるよー!!

 島長の燕佐さんは起き上る気配ナシだしー!

 はっ! 燕奈さんがじーっとこっち見てるんですけど?


「もみじちゃん……」

「はい?」


 ひゃーーーーーー! 何で両手併せてるのー? 嫌だよーーー! 燕佐さんが敵わない相手だよ? 瞬殺どころじゃ済まないよ? わ、わたし負けたらこの島、支配されちゃうんだよーー?


「オホッ! オホホホホ! モミたん、あなたが引導を渡す挑戦者ね。わたくし手加減しませんわよ。オホッ、オホホホホ――ホゴッ! ゴハッ! ゴヒフヘェ!」


 むせ過ぎてお亡くなりになればいいのに! 

 

 本気でそう思ったけど本当にわたししかいないから戦うしかないよー!


「お姉ちゃん!」


 声に振り向くと、祈るよう手を組んでるパイたんの側にいるちいゆが親指の腹を向けてきた。


「ガンバだよ!」

「うん! お姉ちゃんガンバしてくる!」


そう、愛する妹の為にも負けられない! よしっ、シスコンの底力を見せつけてやるんだからねー! って、え? 今回ここまで? み、みんなー、次回に続くよー!

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