第37話 頂点同士の対決! 指一本でアヘ顔させる勝負! 

<これまでのあらすじ>


 最近姉妹百合の漫画とか増えてきてわたしの時代キターー! なシスコン姉の[もみじ]だよー!


 この百合ノ島の支配権を賭けた“深紅の百合”との五番勝負、二勝一分けで王手! な四番目の勝負、心を読む超能力者[燕華(えんか)]ちゃんがババ抜きでまさかの敗北。


 これで二勝一敗一分けになっちゃった……でもまだこっちが有利だもんねー。

 次の五番目の勝負はわれら百合ノ島の島長、[燕佐(えんさ)]さんが満を持して登場するはずだよー!


 対する“深紅の百合”からはトップの[クレちゃん]が出てくるはず――って、そのクレちゃんがババ抜き勝負で勝ったドレちゃんトコ行ったんですけど……。


 

   ♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀+♀


「偶然とはいえ、勝ちは勝ちですわね。まあまあよくやりましたわ」


 言いながら唇を近づけるクレちゃんにドレちゃんがそっぽを向いた。


「あら、ご褒美の口づけじゃ不満ですの? しょうがありませんわね」


 むんずとDカップの胸を掴むも、ドレちゃんが払いのけてしまう。


「このわたくしのご褒美に対して何ですの、その態度は!」


 ひぃっ! またもドレちゃんが癇癪を起したー!

 あっ、燕華ちゃん! いまそこ行っちゃダメー!


「ド、ドレちゃんさんが欲しいご褒美は、そ、それじゃ……ない」

「ドォ、ドレちゃんが欲しいぎょ褒美は、しょ、しょれじゃ……にゃい、って負け犬の分際で何口出ししておりますの!」

「ク、クレちゃん、あなた」

「何ですの! 馴れ馴れしくわたくしの名を呼ばないでくれませんこと?」


 今にも噛みつきそうなクレちゃんの鼻先に、すうっと燕華ちゃんの人差し指が向けられた。


「この百合ノ島を支配したいのは……ゆ、百合神様の力で……し、深紅の百合のメンバー全員の心を……じ、自分に……む、む、向けて欲しい……から」


 それが目的だったの!? でもクレちゃんは百合エロなテクでメンバーを虜にしているんじゃ……。


「と、虜にしてるのは……か、快楽を覚えこませた体……だけ」


 ひゃっ! わたしの心まで読んだの! って、いきなりこっち見るのやめてー!


「ぐぬぬぬぬぬぅ!!」


 クレちゃん、ぐぬぬ選手権八連覇しそうな顔してるー!


「この小娘~! いくらなんでも調子に乗り過ぎですわよ~!」


 クレちゃん! 怒りの余り思い切りガニ股になってるよ! 片方の眉もぴくぴくさせてチンピラさんも真っ青のド迫力フェイスにー!

 それを前にしても顔色一つ変えない燕華ちゃん。

 凄いよー!


「クレちゃん、そのコの言う通りです。私はもとより、他のメンバーも心の愛を求めているんです」


 ドレちゃんが辛そうな顔で言うと、対戦してきた“深紅の百合”メンバーも一様に頷いている――って、いぶちゃんと乳首当て勝負で負けたリズちゃんだけ知らんぷりしてる。どんだけ体に快楽染み込んでるの!?


「これが“深紅の百合”全員の願いなのです、クレちゃん」


 さらりとリズちゃんをハブるドレちゃん。


「わ、わたくしだって薄々気付いておりましたわ。でも……わかりませんの、心の愛というものが……」


 クレちゃんがガニ股のままだらりと両腕を下げてズーンとうな垂れる。

 不謹慎ながら笑いが込み上げてきたけど周囲はしんみりモード、ここはポーカーフェイスで我慢だよ、わたし!

 エサを奪われ落ち込んだおサルさんみたいなクレちゃんの肩に、ドレちゃんがそっと手を置いた。


「心を解放すればいいんですよ」

「解……放……」


 ああ! 何か百合漫画で点描の玉がいっぱい浮かんでるドキドキシーンみたいな流れ!


「ってどうすればいいんですの?」

「え?」


 これにはドレちゃんもあ然。

 本当に「え?」だよー! どれだけ心に興味がないのー?


「えっとその、ありのままに心を解放して……」

「そんな“アナルとユッキーの女王”の歌詞みたいなことできる訳ありませんわ!」


 目が点になるドレちゃんから燕佐さんに体の向きを変えたクレちゃんが指先をビっとむけた。


「そんなやり方より、あなたを倒してこの島の百合神に願いを叶えさせてやる方が一番手っ取り早いですわ!」


 それに燕佐さんが「ふっ」と涼し気な息を吐いた。


「結局わかりませんでしたか。いいでしょう、燕奈!」

「はいよ、姉貴! それでは五番目の勝負に移りますー! 箱から勝負方法が書かれた紙を引いてくださいー!」


 クレちゃんと燕佐さんがそれぞれ手持ちの箱に手を入れた。


 そしてクレちゃんが引いた紙には“指一本でアクメ”。

 燕佐さんが引いた紙には“先にアヘ顔させる”。


 何このどっちもどっちな勝負方法ー!?

 っていうか相楽さんとアヘちゃんの“イかせる絶頂勝負”と被ってるよー?

 はっ! クレちゃんが手にしてる紙の筆跡、どう見ても相楽さんのだ。

 そういえば勝負方法書く時、相楽さんが紙を二枚持っていったような……。


 チラっと相楽さんを見る。


 ひぃっ、涎拭きながらエヘエヘ笑ってるんですけど! 犯人はお前かー、っていうコナンくんの気分だよー!!


「ここでわたくしの書いた紙を引きましたわね! 勝利の百合女神はわたくしに微笑みましたわ、オホッ! オホホホホホホホ――ホゲッ! グゥエオホッ!」


 “先にアヘ顔させる”書いたのはクレちゃんですか、さすが心に愛がない勝負方法……。


そしてどちらの勝負方法がいいかの投票になったけど“イかせる絶頂勝負”と同じように、ふたつの方法をひとつのした“先に指一本でアヘ顔にさせる”勝負方法が提案されて、それに決まっちゃった。

ところで指一本でアヘ顔、って何?

相楽さんの“シャイニングほにゃららフィンガー”みたいなものかしら、ってその相楽さんが親指の爪噛んで涙ぐんでる! 勝負名からアクメ外されたのそんなに悔しかったの?


 そんなことを想っている内に燕佐さんとクレちゃんが向かい合っていた。


「では五番目の勝負、先に指一本でアヘ顔させる勝負、開始!」


 司会の燕奈さんが勢いよく右手を上げた。


「全世界の百合の前でアヘ顔をさらす準備は出来まして?」

「その言葉、そっくりお返ししますよ」


 百七十近いモデルのようにすらりとした燕佐さんと、百六十位でこれまたスタイル抜群のクレちゃんの間に火花が散る。

 百合ノ島代表と深紅の百合代表の頂上決戦に、わたしも握った拳が震えてきたよー!


「オホッ、ではいきますわよ」

「ご遠慮なくどうぞ」


 クレちゃん人差し指が持ち上がったその刹那。

 

「んんっ!」


 気付くとクレちゃんの人差し指が、燕佐さんの左胸にめり込んでいた。

 

「ふっ……やりますね」


 愉悦に変わる一歩手前の表情で燕佐さんが呟いた。


「これでアヘ顔にならなかったのはあなたが初めてですわ」


 ニヤっと笑ったクレちゃんが指を引き抜いた。


「オホッ、今度はそちらの番ですわ」

「では、いかせて貰いますよ」


 燕佐さんの右手が持ち上がり、ピンと人差し指が伸びた。

 そして流れるように優雅な動きでクレちゃんに迫る。


「ああんっ!」


 クレちゃんとは対極の、妖艶な動きでクレのうなじをなぞった。


「オ、オホホ……このわたしとしたことが……やりますわね!」


 うっとりとした瞳を潤ませるクレちゃん。


 な、何か見てるこっちまでお腹の奥がきゅんきゅんしてくるんですけど。

 って隣のちいゆも自分の身体抱いて,モジモジしちゃってるー!?

 ああ! ここにいるみんなそうなってるー!!

 何この勝負ー! 

 じ、次回に続く……よ、あんっ!






 


 


 



 

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