99.アオイホノオ 1~23巻/島本和彦
この話に関しては、オタキングの色んな解説の中でちょいちょい話が出てきたので知ったんですよねー。
なので島本和彦の自伝青春マンガってことは最初は知らなかったです(笑)。
ついでに言うとドラマにもなってたってことも知らなかったです(笑)。
でまあ、そのマンガの中でオタキングとか庵野さんとかの実話とかダイコンフィルムの話とか出てくるんかーい、ということで、気にはなってたんですよ。
80年代初期のアニメ界マンガ界の裏事情ですよ! 興味もたねえでいられるかっての。
作中にブライガーが、とかゴッドマーズが、とかぽろぽろ出てくるし。ビデオデッキが庶民の手に入らない時代のアニメファンの行動がまんま出てるし。そうだよそのために慌てて! チャリ全速力で帰ったことあったよ! 部活遅刻しまくって怒られたこともあったよ!
ワタシが中学の頃、主人公達は大学生だった。けど行動の基本は変わらない……
読みたくなるじゃないですか。
アニメーター側の事情の方は、「二度目の人生アニメーター」で宮尾岳せんせいが描いてくれているけど、アニメファンの泥臭い汗臭い野郎どもの実態はまあ出てこないこと。
しかも庵野氏があんなところで関わっていたとかオタキングがその頃からとか、興味もたねえで()
ちなみにブライガーやザブングルの頃のワタシはブラスという時間取られる部活でうんざりしていた時期です。それこそアニメの数々が、マンガの数々がなかったら毎日が……
OUTやアニメックの存在を知ったのもこの頃。そこに出てきた「怪傑のうてんき」「愛國戦隊大日本」とか「何じゃこりゃ?」と思いつつ、その域を出なかったんですが。
だからこそ、当時の「そこ」に居た人々の話はやっぱり見たい聞きたいじゃないですか!(三度目)
ただ!
島本和彦マンガというのは基本的に合わない(笑)。
いや殆ど読んでなくて失礼だとは思うのだが、絵柄が!
なのでネカフェであったなら一気読みしたいなー、とは思ってたんですね。温泉の休憩所に「転スラ」があって一気読みしたらああ面白いじゃーん、と思ったけど買いはしなかったような感じで。
ところが23巻も出てるじゃないですか! これはなー、と。
と思ったら、iPhoneにあれこれマンガアプリ入れる中でサンデーうぇぶりもありまして。無料で4巻くらいまで毎日ぢみちに読んでたんですよ。
いやもう何というか、
「お前何やってるんだ理屈ばかりこねていい加減さっさとマンガ描け」
「大阪芸大行けるだけの画力はそもそもあるんだろおい」とか(無論作中では大阪、ではないですが)
「言い訳ばっかしてるんじゃねえ!」
「マイルールもいい加減にしろ!」
「そこまで自分に言い聞かせないといかんメンタルなのかお前!」
とか思いつつ。
つかこれを描けることが本当は凄いんですが。
だっていくら大学時代にプロのマンガ家になって~ だとしても、超黒歴史じゃないですかこれ。
大学時代、自分より上の才能がある奴らが先に先に行こうとしてるの見て、それまで自分が持っていた訳のわからない自己防衛のためのマイルールですらびしびしに打ち砕いてくれる圧倒的同級生の存在!
本当はそもそも畑違いなんだからそこまで凹まずともいいんじゃねえかと思いつつ、そう思わずにはいられないナイーヴ(笑)でセンシティブ(笑)でのたうち回り、よく考えたら結構女の子おうちまで来てるやん! という状態でもやっぱりマイルールでがちがちに固まっているせいか相手の気持ちなんて何にも考えてないし(笑)。
ってもう!
自分の黒歴史を見てる様な気分になるわい!
分野は違えども、大学時代の自分の黒歴史とも重なる部分が多々あってですな!
ついネカフェ落ちをやすーく全巻買って読んでしまったという次第さ!
ということで昭和50年代後半にアニメにはまっていたひと達と、大学時代に何かしらの創作やっててもんどり返る様な悔しさとかのたうち回る様な自己嫌悪とか異性どころじゃねえ! 青春を送ってきたひとびとにはぜひ読んでもらいたい作品である。
が。
若いひとにとっては…… これ判らない部分多いわな。
エヴァの監督がこんなんだったよー、80年代学生はこんな貧乏な環境(それでも遠方の大学に行けるくらいの裕福さはある)に住んでたんだよー、とかを知るには面白いがな。
夏にクーラーの無い部屋で汗みずくになりながら原稿描くんだぜ。当然だが……
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