第4話 すれ違い
「そうか・・・
そう言うと店主は去年の夏の出来事を話してくれた。外は夕日に染まって気分が少し落ち込む時間帯になっていた。
「小さい頃から運転の才能があって、レースに参加しては優勝をして
店主は楽しそうに話していたがいきなり話が止まった。店の壁のポスターを見つめて、店主は息を吸い込み
「
予想外の発言に
「でもあの子は強いよ!普通だったら葬式の時に大泣きするだろ?
店主はそう言うと、すき焼きのお肉を持って来た袋に入れてくれた。
「今日はおまけして、3千円でいいよ!その代わり
店主の笑顔と気前の良さで、不穏な空気が一気に吹っ飛んだ。そして
「ありがとう!今度は
家に帰ると、おいしそうなお肉を見て気分が高まった。そして、一人すき焼きをして幸せの気持ちになった。その夜から毎日ラリーについて調べるのが日課になった。趣味がちょうど無かった
「ねぇ、またラリー始めない?」
唐突な質問に
「急に何?ラリーはもうやらないし、そもそもコ・ドライバーが居ないし」
「私がコ・ドライバーになる」
「いや、免許だってライセンスだってないでしょ!」
「免許も国内B級ライセンスも取ったよ!だから、お願い私と一緒にやろ」
「なんで?そこまでやるの?もうラリーに興味ないから!!」
「本当はやりたいんでしょ?大会に優勝したのにもったいないよ」
「
「それは違うね!一緒に戦って優勝したんだからどっちも凄いよ!」
「・・・とにかく、やらない!」
「お父さんが死んだから?」
「何で知ってるの?・・・そうだよ!私は、オヤジに褒められたくてラリーを始めた。でも、もう褒めてくれるオヤジがいない。何のためにやる必要があるか教えてよ?」
「ほらほら、どうしたの?みんな暗い顔しちゃって!授業始めるわよ!」
「先生、体調悪いので帰ります。」
「あら、大丈夫?保健室で様子を見た方が良いんじゃない?」
「結構です。帰ります」
「ねぇ~、一緒に謝りに行こ~?」
「えっ、一緒に?でも、
「私、どこにいるか知ってるよ~」
「えっ?どういう事?」
「ふふふ、それは付いて来てからのお楽しみです~」
「ここって何?」
「ここは私の自宅兼工場です~」
「いや、それが一体何の関係があるよ・・・」
看板には大きく足立モーターと書いてあった。工場の中を見てみると、
「おい、お前なんでこいつを連れてきた。」
「とりあえず、中に入ろ~」
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