第5話 嘘がバレた
「子供だからと言って、嘘が許されている訳ではありませんよ。英雄様のお名前は、シイナ様。職業、フランコティラドール。500年前のギルドの登録者名簿の記録にきちんと名前がありました。そして、シイナ様は、ヒルドの恩人、ヒルドに無償で財を恵んでくれた方。そしてその異名は、白い死神」
「バレてらっしゃる……」
丸裸にされた気分で、思わずカーテンに身を隠した。
あの人、誰?
「私の名前は、サラ・コンウォール。このヒルドを治めるものです」
なるほど……。
だからそこまで知っているのか。
なら話は早い。
「それじゃ、これで! さよなら!」
人に関わらない。私が一番大切にしていることです。
引きこもり癖というか。
「シイナ様がそこまで急がれる理由はなんでしょうか?」
「えっと。そのですね。家に3人の娘がいまして、」
「じーっ……」
思いっきり疑われてる!
美少女が眉を寄せて見つめてくる。
「そんな小さな体で……。嘘ですわよね? それから、ヒルドをこれ以上危険な目に合わせないために、なんて言うおつもりでしたら、つまらない言い訳もご無用。もうヒルドではシイナ様を知らない人はおりません。あれだけの大きな事件でこの町を救ってくださった方のお名前を公表しない訳にはいきませんので、すでに町の皆さんにお伝えしてしまいました」
オーマイゴッド!
顎外れたぁぁぁぁああああああ!!!!
パニックで、はげそう。
「えぇっと、そのぉぉ。」
言葉が出てこなかった。
積み上げてきた月日が音を立てて崩壊する。
この美少女は私の何もかもをさらおうとしている。
グ、ググ〜〜〜〜!
私のかわりにお腹が悲鳴をあげてます。
いつなんどきでも、お腹は空くようです……。
「アズ! ちょっと来てちょうだい」
「お呼びですか? サラ様」
「シイナ様にご飯を用意してあげて欲しいの。まだ何かあったかしら?」
「簡単な物でしたら、すぐに作れると思います」
「よかったわ。じゃそれをお願いするわ」
「かしこまりました」
女の子が可愛いのは、この世界の常識なのでしょうか。あのロリ顔でメイド服、日本だとファンが殺到すると思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます