第13話 決心する結人

「イユ、入って良い?」

「どうぞー」

「失礼しまーす」


 ビスムは元気そうに、イユの部屋に入った。そこにいたイユの表情は、少しだけ暗かった。


「……ねぇ、ビスム。二人きりで、どんな話をしていたの?」

「ああ! 全然、大したことないのよ! 安心して!」

「……ふーん……」

「本当よ、信じて?」


 イユは、わたしのことを心配してくれていたのね……。

 何だか不満そうなイユを目の前に、ビスムは嬉しくなった。


「そっか……。それなら良かったぁ~」


 ビスムの言葉を聞いて、曇っていたイユの表情が晴れた。


「それにしても、何だか大変なことになったねぇ」

「そうねぇ、わたしも驚いちゃった。でもね、イユ」

「ん?」


 ビスムは真剣な目でイユを見て、話し始めた。


「わたし、ずっとイユの隣にいるからね。イユのことを、いつまでも支えるわ」


 言い終えたビスムは愛する者の手を、しっかりと握った。繋がれた手と手は温かい。


「ありがとうビスム!」


 ビスムの言葉に、イユは満面の笑みで返した。


「みんなで頑張ろう。あたしたちで、これからも幸せなカップルを成立させていこう。そしてステキな世界を……美しい愛で包まれた、素晴らしい世界を築いていこう!」


 まもなく、結人たちの新たな出発が訪れる。

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