第95話 A.D.4021.超兵器の戦い

 静寂が広がる戦場に落ち込むセブンス。

 残された希望はクロムだが黒いヘルダイバが見つからない。


「クロムは無事なの? ファルコン何かわからない?」

 セブンスの問いに別の声が答えた。

「クロム・サードは死んではいない」


 顔を上げるセブンスの前に一人の美麗な女が立つ。

 褐色の肌を持つフィフス。セブンの姉でこの基地の守護者。


「こちらもご覧のあり様だ。反乱軍に思ったよりやられた。わずか一個小隊だが、必死な人間の力は計り知れないものだ」

 破壊された基地の内部を見渡しながらフィフスは呟いた。


「姉さん! クロムは生きているって本当なの?」

 セブンスの問いに右手を横へと向け水平に指をさす。

「生きている。あそこで辛うじてな。おまえなら意識したら見えるだろう?」

 セブンスが指定された方向に目を凝らすと、三キロメートル程先のビルの残骸の前に拘束されたクロムの姿。


「遠隔からなので100%とは言えませんが、遺伝子サーチの結果だとクロムだと思われます」

 ファルコンの報告の途中でセブンスが叫ぶ。

「クロム! 今行くから」


 セブンスの目の前に、巨大な黒い円盤が下降してきた。

 フィフスドールこの基地を守る要、フィフスの持つ破壊兵器。


「簡単に行けそうと思ってるの? この展開だと……私を倒して進む。そんな感じでしょ……クク」

 黒い円盤に吸い込まれたフィフスに、セブンスが叫ぶ。


「どいて姉さん! これだけは譲れないの!」

 空中に浮かび上がったフィフスドール。

「そう、ならば来なさい。命をかけてね」


 フィフスドールに向かって、空中に浮かび上がるセブンスドール。

 黒と赤の超兵器の戦いが始まる。

 

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