第71話 A.D.4020.反乱軍の攻勢
「つまり、今は真っ黒なこの画面、次に映し出される事がレニウム、お前には分かっている……そういう事か?」
クロムの言葉にレニウムが応えるより先に、セブンスが叫んだ。
「あれ……あれは宇宙船……?」
その言葉にディスプレイを見たクロムの目にも見えた、金属製の船のシルエット。その数はディスプレイには映りきらない程の数。
「あれは……あたし達の軍よね。アウローラの本隊……数からみてほぼ全軍!?」
レニウム以外はアウローラが全軍で出動する事を知らなかった。
驚くテルルの側らで、クロムはレニウムを睨み付けた。
「これはなんだ!? 俺はまったく知らんぞ! どうゆう事だレニウム?」
レニウムは腕組みをして、祈るように瞼を閉じてからクロムに答えた。
「我がアウローラ自由連邦は、本日00:00に帝国の首都星ルウツに、全軍で総攻撃を開始した」
「馬鹿な……俺は何も聞いていないぞ! なぜだ? どうゆう事なんだ! レニウム!」
鈴々の病室でクロムがレニウムに猛然と近づく。その顔は怒気を含んでいた。
「どうもこうもない。今、言ったとおりだ。我が軍の全力を挙げて帝国の本星を叩く作戦を発動した」
クロムがレニウムの胸ぐらをつかむ。
「だから……そんなの聞いていねぇ! なぜ、俺に知らされていないか、それを聞いているんだ!……おまえが……なぜ、こんな大事を黙っていたか、理由を聞きかせろ!」
興奮するクロム、その強靱なで腕で締め上げられ、空中に釣られて踵が浮いたレニウム。しかし表情は冷静なままだ。
「クロム。こんな状況で参加出来ると思ったか? うちのチームは戦艦サンタナはやっとこの基地にたどりつけた状態でボロボロで、おまえと鈴々のヘルダイバは起動不可なまで破壊されいる。それになにより……」
クロムは、レニウムの視線の先のベッドで身を起こしている鈴々を見た。
戦闘へ参加するのを取りやめた意味は理解したクロムだったが、怒りは収まらない。
「……そうか……お優しいな。レニウムおまえは……だが、俺は行きたかった。ヘルダイバが無くても一兵卒として帝国と決着をつけたかった……そして、あの女フィフスとも」
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