第46話 A.D.4020.仲裁

 セブンスとエイトの二人の究極のドールズが動き始めようとしたその時。


 地上から緊急通信が二人を別けた。

 メインコンソールに写っのは、ミネルバの高官の姿。


「この星のミネルバの代表である。双方、戦いを止めて頂きたい」


 突然の自国の政治家の介入に、驚き憤るエイト。

「これは……どうゆう事なの。今更政治家が割り込める状況でないわ」


 エイトの言葉に構わず、話を進めるスクリーンに映る男。

「セブンスには自由を与えよう、仲間と共に。我々は包囲網を放く」


 エイトが通信モニターを見て、再び叫んだ。セ

「何故? もう勝負はついているわ! この指を動かすだけでブンスを破壊できるのよ!」


 コンソールのモニターの中で、星の代表者が首を振る。

「万が一だが君がセブンスを倒せなかった場合は、エイトドールは破壊され地上に落下する。直径2KMの硬質の隕石を地上に衝突させる気か? 人が住める貴重なこの星が使い物にならなくなる」


 エイトが首を振り自分の席に腰を落し、力なくセブンスを見る。


「姉さん……ほんとはね……二千年前に組み込まれたコドクシステムによって、神への階段を姉さんは昇るの……だから」

 二千年前の事実を言いかけたエイトの唇に、モニターのミネルバの代表者に表情が変わった。


 男の表情に唇を閉ざすエイト。

「セブンス並びに反乱軍の諸君。これで君たちは自由だ。早くこの星から出て行ってくれたまえ」

 代表者の通信は終わった。


 静かになったエイトドールの艦橋にエイトが問う。

「これで……良かったの……セブンスを行かせて」


 エイトの言葉にモニターの画像が歪み、ミネルバの代表の姿は別人に変わる。


 褐色の肌に強いカールが掛かった、黒い髪が胸元にかかる神秘的な金色の瞳。

 エイトの問いに肯いたのはフィフス。戦いの天才と呼ばれるドール。


「エイト何言ってるの命令でしょ? それにお父様の用事って、この子供の喧嘩の事なの? あ~~なんでこんな事しなきゃいけないの。もっと、緊迫感がある楽しい事で呼んでよね」

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