第66話 可愛い仮妻と結婚式⑭
純白の衣装に身を包んだ由季とキスするという幸せな時を過ごしているのだが、問題が発生した。
由佳さんと透さんがイチャつき始めるし、母さんが泣いているというすごく居心地が悪い中にいる為、キスを止めるタイミングが見つけられずにいた。
確かに由季の柔らかな爆弾を揉みながらキスするのは最高なのだが、止め時が見つからないと興奮し過ぎた由季の事後処理が大変だ。
それに今も限界が近付いているのか、俺の唾液を吸い取り必死に我慢している。由季が暴走したら俺からキスを止めない限り、ずっと求めてくるので俺が離れるしかない。
「んんっ……ゆぅ……」
そんなことを考えていれば由季の手が俺の下半身に伸びて行き、迷うことなくぞうさんを握る。そうなれば直ぐに巨象へと成長を遂げる。これ以上はマズイ……。
そろそろ限界だと思い、俺はキスを止めようと離れようとするが、由季は離れた分、追い討ちを掛けてきた。一歩後退すれば一歩前進してくる。
こういう展開は、男が迫るものだと思うのだが、由季が相手だと異なってしまう。
そうして俺は由季に壁際へ押し付けられるが唇を離してくれた。
「助かったね」
「え? 暴走してたんじゃ?」
「流石に親の目の前だからね。ゆうが胸揉んできたのはちょっと危なかったけど」
「ぅ……」
「触っただけで大きくしちゃうんだから……」
「そんなこと言うなら由季だって尖らせてるだろ……」
「うん……お互い様だね。それで、どう? このウエディングドレス」
由季は俺から少し距離を取ると、その場でくるりと回ってみせる。
うん。可愛い。
フリルが沢山付いており、回ると浮かび上がって可愛らしさがグンと上がる。その可愛さが由季に足されるのだから、最高の一言である。
「綺麗だよ。なんか俺だけ場違いだけどな」
「ゆうはそのままで大丈夫。ゆうが格好良いのは私だけが知ってるだけで良いんだから」
「本当に堕天使だな」
「それはどういう意味?」
「俺を堕とす。俺だけの天使」
そう言いながら俺は由季の首筋に吸い付く。由季の身に自分の堕天使であるという印を深く刻み付ける。
「んっ……なら、私も……」
俺と由季はお互いの首筋に唇を押し付け、印を付け合う。お互いがお互いのものであるというように。
「由季は──」
「ゆうは──」
「「俺(私)だけのもの」」
「「んっ……」」
**** ****
印を付け合った後、俺と由季は見つめ合っていた。誓いのキスをしたのは良いものの肝心なものが一つ残っていた。
「ゆうは、この私を妻とし、 良き時も悪き時も、
富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、
共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かっても、
愛を誓い、私を想い、私のみに添うことを、
神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いましたね?」
「誓うこと前提なんだな」
「はいとYESしかないからね」
「はい」
「じゃあ、次はゆうの番」
「由季は、この俺を夫とし、 良き時も悪き時も、
富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、
共に歩み、他の者に依らず、死が二人を分かっても、
愛を誓い、俺を想い、俺のみに添うことを、
神聖なる婚姻の契約のもとに、誓いました」
「勝手に誓っちゃったよ」
「ダメか?」
その問いに由季は幸せそうに微笑んで言った。
「喜んで、お引き受け致します。私の旦那様」
こうして、俺と由季は
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