EX10 可愛い妻と年明け
「「はぁ……はぁ……」」
「もう無理、疲れた……」
「ふふっ、私も……」
それも叶って、由季はとても幸せそうな表情を浮かべながらも、俺と一緒に荒い息を吐きながら横たわっていた。
「一年中、えっちしちゃったね」
「そうだな……」
「ねぇ、ゆう?」
「どうした?」
「今日は何しようか」
「休みたい」
「そんなにえっちしたかったんだ」
「休み=えっちじゃないからな?」
何かあるごとにえっちと結び付けて迫って来る為に、一人で処理する時間が無くなってしまった。まぁ、由季に絞られる為、する必要も無くなったのだが。
それにしても、コンドームが全く減らないな……。
クリスマスプレゼントに紛れて大量のコンドームというたっぷりする気満々な準備を整えていた由季には恐れ入ったものだ。
「よいしょ、んしょ」
その当の本人は、もう体力が回復したのか俺の上によじ登ると、額と額をくっ付けて来る。間近にある由季の目に疲れた顔をした俺が映っていた。
「幸せそうな私が映ってる」
「疲れてる俺が映ってるな」
「眠い?」
「流石にな」
「じゃあ、寝ていいよ。掛け布団になってあげるから」
そう言った由季は掛け布団を被り、俺の背中に両手を回してぎゅっと抱き付いてきた。凶悪な柔らかさを持つ二つの爆弾がむぎゅっと形を変えて、俺の胸元に押し付けられる。
「何だか、分厚い掛け布団だな……」
「ゆう限定の特注品、由季布団です」
「いくらなんだ?」
「ゆうの愛情だよ」
「そうか……」
俺は由季の頭を右手で撫でながら、左手を背中に回す。
「愛してるよ、由季」
「私も……」
「「んっ……」」
どちらからともなくキスを交わせば、あまりの心地良さにいつの間にか俺と由季は寝落ちしていた。
**** ****
自然と目が覚めて辺りを見渡せば、由季がいなかった。代わりに腕の中にいたのは抱き枕だった。見事な変わり身である。
服を着てから寝室を出て、リビングに向かえば豪華なお節料理が机に並べられていた。変わり身した由季は取り皿を持って机に置くところだった。
「あ、おはゆう〜」
「おはよう」
「「んっ……」」
いつものおはようのキスを交わした後、いつもの裸エプロンの由季をさらっと無視して椅子に座る。
「なんか反応薄くなってきてるよね」
「慣れって虚しいな」
「……今年はレパートリー変えよう」
何だか恐ろしそうな言葉が聞こえたが、聞かなかったことにして椅子に座る。その隣の席に由季が座り、一緒に手を合わせてからお節料理を堪能した。
**** ****
「今年も全問正解だったね」
「俺が由季の手料理を間違える訳ないだろ?」
「ふふっ、嬉しい」
お節料理にも手作りできる物とできない物があるので、どれが市販か手作りか判断する遊びをしていた。
今年で二回目なので、わざと市販の味付けに近付けるという引っ掛けをしてきたが、迷いもせずに全問正解した。
「お昼、何にする?」
「今食べたばかりだぞ? でも、そうだな。久し振りに豚汁うどんが良いな」
「懐かしい。初めてゆうに作ってあげた料理だ」
そう、あの頃の由季はお風呂に一緒に入るのも凄く恥ずかしがっていたし、呼び方を変えるだけでも凄く嬉しそうにしていた。
だが、目の前にいる由季はどうだろうか?
率先して一緒に入ろうとするし、敬称なしで名前を呼んでも、いつものことだと思われるようになってしまっている。
果たしてどこに行ってしまったんだろうか? 初心な由季は……。
「じゃあ、作ってあげるね」
「あ、あぁ……」
……由季の恥ずかしがっている姿が見たくなってしまった。それを見る為には避けては通れない道があるだろう。しかし、見たいと思ってしまったから素直にその代償を受け入れよう。
「また食べたら新婚さん気分に慣れるんじゃないか?」
「もう……。って、気分じゃなくて実際に新婚さんだよ」
「そうだったな。由季は俺の最愛の妻で最高の女だったな……」
「なっ……そんなに褒めたって何も出ないんだから……今のところは」
あぁ……可愛い。恥ずかしがってる由季は何というか守りたくなってしまう。このままリードしてあまりの恥ずかしさで逃走してもらいたい。
「そんなことないよ。由季の可愛い声が聞こえるからな」
「も、もう……何で今日は積極的に来るの?」
「愛してるからだよ、由季……」
「っ!」
顔を真っ赤にした由季が椅子から立ち上がってリビングから逃げてしまった。この時点で俺は既に可愛い由季の姿を堪能した。
だが、もっと見たいと追撃を掛けたのがマズかった。
「寝室にいるのか?」
俺は寝室に入り、膨らんでいる掛け布団を引き剥がす。だが、掛け布団の中には抱き枕が隠されていた。
「由季? どこに……」
「えいっ」
急にそんな可愛らしい声と共に俺は後ろからベッドに突き飛ばされた。嫌な予感がしてベッドから抜け出そうとすれば、追い討ちを掛けるように由季が馬乗りしてきた。
「どうしてここに?」
「ドアの隣で待機してたの。ドアが開けば死角になるからね。そして膨らんだ掛け布団に気を取られているところを狙えば確実に捕まえられるからね」
「そうか。じゃあ、そろそろ……」
「えっちだね」
「「ふふっ」」
「逃げ……」
「られないよ?」
がっしりと掴まれて全く動けそうになかった。
俺が観念する頃には衣服を剥ぎ取って嬉しそうな表情になる由季が目の前にいた。
「何かいうことある?」
「可愛いよ」
「えへへ、全部搾り取ってあげる」
そうして俺は精根尽きるまで由季に搾り取られた。
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