EX7 可愛い妻といいお◯ぱいの日


 のんびりとソファーに沈み込んで、そのまま昼寝でもしようかというところで唐突にそれは起きた。



「ゆう!」



 由季の切羽詰まる声が聞こえてきた。俺はそれに反応するように頭を声のする方向へ向ければ……。



「なぁ……!」



 ぶるんぶるんと元気良く弾む爆弾が迫って来ていた。勿論、服を着ていれば冷静でいられたのだが、期待を裏切って由季は可愛らしいパンツ一丁であった。こんな昼間から何をしているんだか……。



「今日って何の日か分かる?」


「11月8日だけど……それで、何があるんだ?」



 昼間の太陽からの恩恵が由季に降り注いでいることも相俟って、あまりの神々しさに直視出来ず、適当にそう返すが……。



「今日はね、いいおっぱいの日なの」


「いいおっぱい……」



 俺は瞬時に片手でスマホを操作して『いいおっぱいの日』という素晴らしき日を調べようとしたのだが、由季に横からスマホを奪い取られ、谷間に収納されてしまった。


 下着を着けている状態で谷間に収納するのは分かるが、由季は下着なしでも収納することができる。まぁ、腕を広げれば流石に滑り落ちると思うが。



「ゆうは私のおっぱいより他人のおっぱいの方が好きなの?」


「そんな訳ないだろ」


「じゃあ、私だけを見て。ゆうだけのおっぱいを見て」


「俺だけのおっぱい……」



 特大サイズのお茶碗に綺麗なさくらんぼが実っている。谷間に俺のスマホが挟まっているので、その大きさが如実に伝わってくる。



「今だけなんだよ? ピンク色に染まっているのは……」


「そ、そうか……。恥ずかしくないのか?」


「たくさんえっちしてるんだから今更だよ」



 そんなことを言う由季だが、俺は一向に慣れない。入籍して夫婦になった今でも日に日に、美しく艶やかに成長している。衰えることを全く知らない体である。



「でも、ゆうはずっと恥ずかしがってるね?」


「見る度に由季が美しくなっていくから、その……」



 俺の初々しい反応に由季は嬉しそうにする。



「そっか。裸を見られても、慣れて何とも思わなくなるとか少しは思ってて……」


「そんなことないよ。魅力に磨きが掛かってるから、ずっと由季に興奮しっぱなしだ」


「子供作りたいほどに?」


「……」



 痛いところを突かれた。あれだけ子供が欲しいと言っていたのに、いざとなると俺は逃げてしまった。どうしても、子供のことを思うと躊躇われたのだ。


 未成年で子供を作って、どこからかその情報がバレて、虐められるのではないかと。由季に続いて子供までも虐められたら、俺は学校というものを信用できなくなってしまう。



「でも、あの時ゆうが少し待とうって言ってくれたの、今では感謝してるの。馬鹿正直にゆうの子供が欲しいって言ってた私は自分のことしか考えてなかった。子供は親の都合でしか産まれないんだから、ちゃんと考えないといけなかったのにね」


「由季……」



 憂うような雰囲気を漂わせる由季だが、次の瞬間、その雰囲気は消し飛んだ。



「……と言うのは過去の話。今はもう法律上でも夫婦だし、来年で20歳だし、ゆうの子供産みたいというか……」


「良いよ」


「え……?」



 また断られるのかと思ったのか呆然としている。流石に意味もなく拒否したりしない。問題がないのであれば子供が欲しいという気持ちは由季と一緒だ。



「ゆうの子供、このお腹に宿して良いの?」


「あぁ」


「ゆうと生えっちできるの?」


「そ、そうだな」



 初めての一回きりで生でのえっちはしていない。コンドーム有りでならたくさんしているが……。



「じゃあ、今からしよ?」


「え? まだ昼間だけど? そもそもどうしてパンツ一丁……」



 と考えたところで一つの憶測が過ぎる。本日のいいおっぱいの日というのをダシにして本題、子供の話をする。そこから流れでえっちできれば御の字、子作り生えっちできればパーフェクトといった感じなのだろう。


 ……由季の考えでは。



「狙ってたか?」


「狙ってないよ──信じてた」


「そうか……」



 それは俺が推測することをだろうか?



「それなら、一杯食わされたな」


「違うよ」


「え?」


「こんだけ待たされたんだから一杯じゃ足りないに決まってるでしょ? だから、全部搾り取ってあげる……」


「ちょっ……由季さん? どうしてこちらに……」



 由季はソファーでぐったりしている俺の上に覆い被さり、ベルトを外しに掛かって来た。その目は肉食獣の如く鋭い。



「ちょっ……ぐへっ……」



 ベルトを外す際に揺れた爆弾の谷間からスマホが滑り落ちて、おでこにクリティカルヒット。その隙を見逃さずに由季はパンツごとズボンを剥ぎ取った。



「ふふっ、言葉では否定していても、体はすっかりその気だったんだね……。大丈夫、手取り腰取り気持ち良くしてあげる……」


「ぎゃぁぁぁぁぁ」



 じゅるりと舌舐めずりした由季に俺は夕方になるまで美味しく頂かれるのだった。


 そして、運が良いのか悪いのか、その一回で由季は妊娠することになった。

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