第52話 可愛い仮妻と朝チュン?

 小鳥の囀りが微睡んでいる俺の耳に良く響いてくる。寝返りを打ち、徐に薄く瞼を開いてみれば二つのさくらんぼが目に飛び込んできた。



「な……」



 一気に意識が覚醒して掛け布団を引き剥がす。すると、そこには眩しいほどの由季の裸体が俺の目に飛び込んできた。当然、俺も全裸で朝の支配者である巨象が雄叫びを上げている。


 その最中、由季が可愛らしい声を漏らした。



「……んっ、あなた、そこはダメ……」


「な、なにもしていな……」


「……ぁん、激しぃ……」


「だから、俺は何も!」



 そこで由季が寝言を言っているのだと思い至り、なんとか平静を取り戻す。由季が見ている夢の中の俺を妬ましく思って。



「というか……この状況……由季とその……」



 まぐわい行為をしたのかと思ったが、それはないと直ぐに分かった。理由としてはまだこの巨象が最後の成長を迎えていないからだ。


 そのことに気が付くと、大体の事情は分かってきた。


 再び気絶した俺を由季が持ち上げてくれて、体を拭いてそのままベッドに……といった感じだろう。



「由季……」



 俺は由季の頭を撫でると、無意識に魅惑のさくらんぼへと視線を向けてしまう。美味しそうなピンク色をしており、思わず食べてしまいそうになる。



「ちょっとだけなら良いよな……」



 子供が出来たら、その子に由季のさくらんぼを味わう権利が与えられるのだ。なら、夫になる俺が一番最初に味わう権利ぐらい貰っても良いではないか。


 俺はこれからする行動を正当化すると、意を決して由季のさくらんぼを口に含もうとする。


 その時。



「……いっぱい飲んで大きくなってね」


「そうだな……あむっ……」


「……ぁ」



 甘い香りがする。それにずっとこうして咥えていたいと思ってしまうような中毒性がある。これが赤ん坊の時に感じていた安心感なのだろうか。


 もっと味わいたい……。


 俺はさくらんぼを吸ったり、舌で捏ねくり回す。



「……んんっ……!」



 由季の感じている声が俺の理性を奪っていく。


 流石に片方だけを集中してするのはいけないので、もう片方のさくらんぼの方も同様にしてあげる。その後、爆弾の柔らかさを両手で揉んで体感するとさくらんぼ同士をくっ付けて二つ一緒に口に含んだ。



「んぁ……!」


「甘い……」



 もし、子供ができて母乳が出るようになったら、どうなってしまうのだろうか。きっと、由季のことだから甘くて美味しい母乳が出るはずだ。



「その時になったら一番に飲ませて欲しいな……」


「うぅぅ……」


「起きたのか?」


「起きるに決まってるじゃん! 人の胸を揉んだり、回したり、吸ったりされたら当然だよ。それに飲ませて欲しいなんて……」



 由季がぷるぷると震えて恥ずかしそうにしている。露天風呂に入っていた時と比べれば、大したものではないというのに。



「今の由季はあなたモードじゃないのか?」


「ずっとえっちな気持ちになる訳ないでしょ」


「俺はその気になればずっとその気でいられるよ」


「ゆ、ゆうの変態! ……で、でも、そうだよね。不味かったらいけないし……」


「そうだよ。最初は俺に味見させるべき」


「そんなのゆうが飲みたいだけじゃん……」


「飲みたいよ。それに俺は由季の胸をお世話する権利があるからな。だから、ちゃんと美味しいか確認させて貰わないとな」


「ゆう……」



 言っていることは当然のように変態だが、その変態に毒され始めている由季にとっては魅力的な提案に聞こえてしまった。



「分かった……。ちゃんと美味しくなるようにゆうも協力してね」


「当然だよ」


「期待してるからね……」


「あぁ。だから、もう少しだけいいか……?」


「…………ちょっとだけだからね」



 ほんの数分前なら当然、断るようなことを受け入れてしまった由季だった。


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