第17話 可愛い彼女とお泊まり会⑧
無事にお風呂イベントを乗り越えた俺は、ソファーの上にぐったりと腰掛けていた。あの後は凄く大変だった。
よく分からないまま、お背中洗いっこをする羽目になったり、濡れたタイルの上を滑ってしまった由季が二つの爆弾で特攻して、俺の背中にダイレクトアタックを決行するし、それをチャンスだと思ったのかボディーソープを垂らして、爆弾を擦り付けて洗ってきたり。
おまけに耳元で『ゆう……っん、気持ちいぃ?』と艶かしく呟くし、俺のぞうさんをどれほど成長させれば気が済むんだ。
気持ち良いに決まってるだろ! なにちゃっかり、密かに憧れていたシチュエーションをしてくれてるんだよ!
もう……ありがとうございます!
……自慢できる彼女だよ、本当に。まだ付き合ってから半日も経ってないけど。
その自慢できる彼女はと言えば現在、俺の体を背もたれにして座っている。そんな俺は長い彼女の髪を櫛で梳かしている。
「ゆうは長いのと短いのどっちが好き?」
「どんな髪型でも好きだよ。由季のならね」
「なら、伸ばしとくね。ゆうに触ってもらうの好きだから」
「そうか」
「うん」
そうして、由季の髪を梳かし終えた俺は由季の髪型を変えていく。これは幼馴染の関係だった時でもやっていたことだ。
寝るから三つ編みでいいか……。
そう結論付けると俺は由季の髪を弄っていく。きめ細やかで今日に限っては、同じシャンプーを使用しているのに全く別の良い匂いがする。
でも、大変そうだったな……。
シャンプー以外にもリンス・コンディショナーやトリートメント。男の俺には全く縁のない物だ。これから一緒に入ることがあるのなら覚えようかな。
「終わったよ」
俺が告げると、由季はソファーの脇に置いていた手鏡で確認していく。
「ありがとう。わぁ〜 三つ編みだ〜」
「お気に召しましたか、お嬢様」
「むぅ〜 私、お嬢様じゃないもん。ゆうの彼女だもん」
「そうだったな。俺は由季の彼氏だ」
「そして将来、私の夫……」
「……俺の可愛い妻だ」
「ゆう……」
俺は瞳をとろんとさせて何かを期待している由季に顔を近付ける。愛しくて大好きでこれからもずっと一緒に隣を歩み続けたいたった一人の幼馴染だった女の子。
そして──
「「んっ……」」
キスという名のスキンシップをした。
これは幼馴染から恋人にランクアップした今日からやっていくことだ。
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