第16話 可愛い彼女とお泊まり会⑦

 由季から一緒にお風呂に入らないかと招待を受けた。その招待者である現在の俺は絶賛、入浴中である。


 勿論、年頃である俺の視線はドア越しに映っている脱衣中の由季の姿だ。るんるんと楽しそうに鼻歌を歌いながら、徐々に産まれた姿になっていく。


 下着姿になると狙ってやっているのか、横向きになった。そうすると、由季の立派な凹凸がドア越しに映って、俺のぞうさんが雄叫びを上げそうになった。


 こりゃぁ、ぽんぽん産むってのは強ち、間違いじゃないのかもしれないな……。


 その間に由季はゆっくりとブラを外した。すると、隠されていた女の子の魅力が溢れ落ちた。


 あぁぁぁぁぁぁぁ! 止めてくれ……。俺のぞうさんは元気一杯だから見せないでくれ……。


 だが、俺の視線は釘付けだ。全く微動だにしない。何だかんだ言っても好きな女の子の裸は見たいのだ。でも刺激が強過ぎて、理性がゴリゴリ削られる。父さんが耐えられないのも納得だ。


 最後の砦であるショーツを脱いだ由季がドアノブに手を掛けた。


 来る……!


 そうして現れたのはお尻だった。それも真っ白で触り心地が良さそうな綺麗なお尻だ。



「由季?」


「あ、あのね? いざってなったら恥ずかしくなっちゃって……。後ろ向いてるの」


「そ、そうなんだ……綺麗なお尻……」


「ゆ、ゆうのえっち……。だけど私のこと好きなんだもんね……。仕方ないね。好きな子の前では大きくなっちゃうらしいし……」


「ぐふっ……どなたから知り得た情報でしょうか」


「お母さんから……『男の惚れ具合は大きさで決まる』って……」


「嘘です。それは偽情報です」


「そ、そうなの? じゃあ、見ても良い?」


「へ?」



 待て待て待て待て。今日の由季さん、性に貪欲過ぎませんかね? 確かに恋人になったけど、1日目で彼氏のぞうさん見せて発言は頂けない。



「ダメです。それは幾ら可愛こぶっても見せられません」


「そ、そうだよね……ごめんね。じゃあ、入っても良い?」


「ど、どうぞ……」


「お邪魔します……」



 由季の入るスペースを開けると、そこにちゃぽんと音を立てて由季が入ってくるのが分かった。



「はぅぅ〜 気持ちぃ〜」



 色っぽい! 俺のぞうさんに何か恨みでもあるの⁉︎ ドーピング剤注射しないで⁉︎


 そうして、お互い無言のまま浴槽に留まり続ける。でもそれは緊張とかは無く、リラックスできるものだった。好きな人とお風呂に入るのは何も無ければ、とても気持ちの良いものだと実感できる。それは偶然、一緒に入った時も同じだった。



「ゆう?」


「なんだ?」


「好き」


「……俺も好きだ」


「えへへ、またこうやって一緒に入ってくれる?」


「良いよ。俺も一緒に入るのだけは拒否しない」


「ありがとう……」



 そして、由季が俺の耳元で囁く。



「夫婦になったら、見せてくれる?」


「考えます……」


「よろしい。ふふ」



 後ろにいる由季が笑っているのを、俺は複雑な心境で聞いていた。


 こりゃ、俺も父さんみたいに尻に敷かれるのかな……。


 でも、俺は由季だったら良いのかもしれないと思った。その思考に及んだ途端、自分はどれほど由季に惚れ込んでいるんだろうと呆れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る