第176話 竜の墓場のお宝披露
昼食の後、全員に採取した、ミスリルやオリハルコンやマギ鉱石を出して見せると、アケミさんとコナンさんが、大絶叫していた。
「すっごいよーー! ケンジ君! これは凄いよ? 凄いと書いてヤバいって奴だよ?」
と片腕をブンブン振り回しながら興奮するコナンさん。
「け、ケンジさん、これだけで、市場に出すととてつもない金額ですよ。
というかちょっとした騒動になるかもです。」
とアケミさん。
「だよね、これ純度がヤバいし。 で、良く判らないのがこのマギ鉱石なんだよねぇ~。」
と言いながら、再度詳細解析Ver.2.01大先生のレポートをジックリ読んでみた。
「や、ヤバいよ!これ!!!」
『詳細解析Ver.2.01』
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名前:マギ鉱石
ランク:神話級
制作者:
所有者:ケンジ
【説明】
史上最高純度のマギ鉱石。
マギ鉱石は、魔素が万年単位の長い年月を掛けて高温高圧縮状態で固定化され、安定した状態になった物を指す。
一般的には赤く濁りの無い物程、高純度となり、価値が高い。
純度が低い物は赤黒い色となり、黒が強くなる程、内包する魔素量が少ない。
直径1cmの球体で、一般的なSSSランクや災害級と言われる魔物の魔石の100倍以上の魔力を内臓している。
【経歴】
女神エスターシャが鉱物神モスリートを物理で説き伏せ、ケンジの為にいつの日か役に立つ様に願い埋蔵させておいた鉱脈。
他にも、レアな鉱石の鉱脈を高純度で凝縮し、一般の者には発見出来ない場所に埋蔵した。
更に神殿からは竜の墓場として、人が立ち入らない様に噂をバラ撒いた。
安全策として、土精霊との契約が必要なロックが掛けられていたんだよ? 流石だね!!
これも、ちゃんと発見してくれたので、女神エスターシャがドヤ顔で喜んでるよー!
あんまり余計な事を書くと、私の身も危ないので、今日はこの辺で。
【利用方法】
兎に角、莫大な魔力量を保持するマギ鉱石なので、付与の魔方陣等を描く際のインクに粉を混ぜる事で、膨大な効果を引き出す。
魔石の代わりにも利用可能で、エネルギー源としての利用も可能。
直接切り出したマギ鉱石に魔方陣を描く事も可能。
但し、過大な威力を発揮する為、攻撃系の物には使用してはダメ!星自体が壊れる可能性あり。実にヤバいので、本当にダメ!
常設型のゲートの動力源として使ったり、常設型の防御結界等に使うのをお薦め。
後は、指輪とかの石にすると、もしもの際の魔力タンクとしても利用可能。
【使用例】
①常設型ゲートの作り方(※ロストテクノロジー)
[>>続きはこちら>>]
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うぉーーー!!! 何と常設型ゲートの作り方まであるの!?
読み進めている内に余りの驚きで、暫し固まってしまったのだった。
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【使用例】
1)常設型ゲートの作り方(※ロストテクノロジー)
さあ、これで旅行させ放題。
侵略だってお手の物!
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2)常設型亜空間部屋の作り方(※ロストテクノロジー)
物流に革命を!
ボッチをこよなく愛する貴方にも!
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3)常設型絶対結界の作り方(※ロストテクノロジー)
ボッチもヒッキーもこれさえ在れば憂い無し!
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4)通信魔道具の作り方(※ロストテクノロジー)
ボッチだってたまには、声を聞きたいんだからね?
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5)魔動砲の作り方(※ロストテクノロジー)
破壊は男のロマンじゃよ! By 破壊神デロリアン
注意:超危険。良い子は作らないようにね!
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6)魔動飛行機の作り方(※ロストテクノロジー)
気になるあの子とお空でデート。夕焼けフライトでメロメロさ!
[>>続きはこちら>>]
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「ケンジさん? 大丈夫ですか?」
不意にアケミさんの顔が目の前にあったので、更に驚いて
「うぁっ! あー、ビックリした。
ごめんごめん。いや、ちょっと色々驚きの情報があって、固まっちゃったよ。
コナンさん、常設型ゲートの作り方が判ったよ!!」
「えー! マジ?」
「大マジ。 わぁ~、こりゃあこれから、面白くなるね。
各別荘を結ぶライン作れるよ!! ハッハッハッハ!!!」
「す、凄いじゃないか! じゃあ、色々な所に日帰りも可能なんだーー! ゲヘヘヘヘ」
と驚きの余りに饒舌なコナンさん。
「フフフ、そうだなぁ。こうなると、彼方此方にゲート作りたくなるねぇ。グフフフフ。」
コナンさんと2人で変な笑い声をあげて、お互いに肩をバシバシと叩き合うのであった。
そんな中、コルトガさんだけは、
「ふむ、これで領土広げ放題ですな。ガハハハハハ!」
と大笑いしていた。
しかし、凄いな。
俺の望みを先回りしたかの様な使用例の数々。
どれもこれもロストテクノロジーってところが若干ヤバい感じするけど、通信魔道具とか、これは是非とも装備したいよな。
それに亜空間部屋ってあれじゃないのか? あの食糧倉庫! どこからでもアクセス出来る超便利なあれ。
魔動砲には若干男のロマンを感じてしまうけど、何か壊しちゃいけない物までも壊してしまいそうだから、作らない方向かな。
しかし、チョイチョイ、ボッチやヒッキー推ししている感じだけど、何これ? 俺に喧嘩売ってるの?
でも有用な情報で有る事は間違い無い。ありがとう! 神様達!!
「しかしさ、本当にこの渓谷は深いね。大体出来た理由も何となく分かったけど、ここから1500m降下しても底が見えなかったよ。
温泉の『お』の字すら見つからなかった。
1500mも潜ると、辺りは真っ暗で、しかも外気温はかなり暑かったみたい。
おそらくだけど、有害ガスが充満していたから、生身では数分も持たないかもね。 おそらく良くて窒息死、悪ければ有毒ガスで苦しみながら溶かされるかも。」
「えーー、そんなに危ない所なんですか!」
「いや、俺はほら、シールドも張れるし、中は空気清浄したり、快適温度にしたり出来るから、全く問題無いんだけどね。
まあでも、ここで採掘出来るのは、俺だけと思った方が無難というか、後で判ったんだけど、土精霊との契約が無いと無理らしいから、俺専用だね。」
「でも、無理はしないで下さいよ?」
「う、うん、判ったから。」
本当は、続きの採掘をしようかと思っていたのだが、先程の状態を思い出し、その言葉を飲み込むのであった。
あれ程激しく心配された事は、今は亡きお袋以来であった。
子供らにしてもこれだけ懐かれ、ヒシッと抱きつかれた事も無い。それが妙に嬉しくて堪らなかったのである。
まあ、必要になれば、ゲートで採掘しに来れば良いだけだし、焦る必要はないだろう。
という事で、向こう岸にゲートで渡り、馬車を進める事にしたのだった。
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