第65話 投げ売りですか?
★★★ 祝! 総合日間ランキング 1位記念 ★★★
皆様、ありがとうございます!
沢山の方に読んで頂けて、本当に感謝感激雨霰です!(ちょっと表現が古いですかね)
誤字脱字のご指摘も大変感謝しております。
なかなか恥ずかしい所や、肝心の部分で間違いがあったりして、日々唸っております。
★マークだけでなく、色々なコメントにも目を通させて頂いて、励みにしております。
これからも宜しくお願い致します。m(__)m
今日のうちにアップしておかないと、「総合日間ランキング 1位記念」の表現が使えなくなると思い、慌ててアップしてみました!
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早速、俺は、コロを連れて、拠点から奴隷商のオリバーの店へと出掛ける事にした。
「マダラ、折角寛いでいる所、申し訳ないんだけど、もう一働きしてくれる?」
と厩舎に声を掛けると、
<主ー、全然おっけーだよー>
と了承してくれた。
やっぱり、ソリでの移動は早く、アッと言う間に奴隷商へと到着した。
奴隷商も一応開店しており、マダラに毛布を掛けてから、店へと入った。
「いらっしゃいませ。 ってケンジ様じゃないですか! その節は色々とその、ありがとうございました。」
と初っ端から冷え切った店の中なのに、油汗を流すオリバー。
「ハッハッハ。そんなに構えなくても大丈夫だよ?
今日もちょっと何人か見せて貰いたくてね。」
と言うと、
「どう言った人材をお求めですか?」
と聞いて来た。
「うーんと、そうだね。まああまり代わり映えはしないんだけど、料理や家事が出来る子を探しているんだよ。」
と言う事で、前に通された部屋で待っていると、5人程女性を連れて来た。
全員鑑定してみると、最初の3人は、無条件にパスすべき案件で、残り2名が悩ましい。
『詳細解析』
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名前:リサ
年齢:16歳
誕生日:2月15日
父:カーター
母:サンドラ
種族:人族
性別:雌(未)
婚歴:無し
身長:165.1cm
体重:48.2kg
B:81cm Bカップ
W:51.3cm
H:82cm
称号:
職業:
レベル:13
【基本】
HP:102
MP:285
筋力:89
頭脳:125
器用:103
敏捷:105
幸運:121
【武術】
剣術:Lv3
弓術:Lv2
投擲:Lv2
【魔法】
火:Lv3
水:Lv2
土:Lv0
風:Lv0
無:Lv7
【魔法Ex】
氷:Lv1
【スキル】
農耕作業
魔力感知
魔力操作
調理 Lv4
裁縫 Lv1
錬金
解体
【加護】
【状態】
精神:疲労大
肉体:慢性疲労小
健康:風邪気味
【経歴】
隣の旧ラスティン子爵領の山間部出身。
父親は10年前に死別、母親は4年前に死別。母親の死後、旧ラスティン子爵領でEランク冒険者をソロでやっていたが、鳴かず飛ばずの自転車操業状態であった。
とある討伐依頼の際に屑パーティーに誘われ、組んだメンバーの男性に暴行を受けそうになり、抵抗した際、相手に怪我を負わせ、依頼に失敗する。
その依頼失敗を全て負わされてしまい、罰金が払えずに奴隷墜ちしてしまった。
【展望】
非常に真面目で努力家。魔法や錬金に興味があり、独学していた。男性に暴行を受けそうになった事が原因で、男性に対する恐怖心がある。
幸い、健二の冒険者としての噂は聞いており、健二の魔法や錬金には心を開きそうである。
鍛えれば、剣術も魔法も錬金も胸もかなりの成長が見込める。
故にユッタリとした拠点での運用をお勧めする。
ジックリと育て上げる楽しみ方もと思います。如何でしょうか?
[>>続きはこちら>>]
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そう、もう1人のアズさんと言う17歳の女の子は、特に調理スキルや育児スキルなる物もあるので、俺の中では買う事で決定しているんだが、問題はこの子。
リサさん。スキルを見ると、実にスルーするのは勿体無い。
加えて、俺と真逆で男性恐怖症らしい。 うーーん、拠点でノンビリ暮らせば、心が癒やされて行くかな?
等と思案していた。
まあ、今の所、俺の心の中の多数決では、リサさんは、買う6票 買わない3票 棄権1票と言う結果だ。
あと、決定しているアズさんの経歴のストーリーにも一部気になる所があるのだが、まあそれは追々か。
「決めました。そちらの2人をお願いします。費用は全部でお幾らになりますか?」
とオリバーに向かってニヤリと悪い笑みを見せると、それだけでブルっているオリバー。
まあ、過去のヤバい件があるからね。
すると、オリバーが、
「ご贔屓にして下さっているケンジ様ですので、1人10000000マルカ(金貨1枚)で合計20000000マルカ(金貨2枚)で如何でしょうか?」
と言って来た。
「え? 前回より安くないか?」
と俺が言うと、実はこの冬の時期は買いに来る人が居ないらしく、経費だけが嵩んで行くらしい。
それに、ぶっちゃけ、冬は寒いので、下手に風邪でも引かれると、余計に拙いので、出来るだけ安くしたとの事だった。
「ふーーん、じゃあそれって、俺のご贔屓とは関係無いじゃん!」
と突っ込むと、普通よりも下げてます! と言って居た。
まあ、良いさ。
「じゃあ、手続きお願いします。」と金貨2枚を渡した。 奴隷紋に血を一滴垂らして契約完了。
さて、問題は、このアズさん(17歳)とリサさん(16歳)の格好なんだが、見てるこっちが寒くなるような服で、彼女らも鳥肌を立てている。
しかも、この真冬だと言うのに、足は素足にサンダルだぞ! 見てるこっちが泣けてくる。
流石にこれで連れ回すのはなぁ。
なので、おれの持ってる自動温度調節が付与された毛布を2枚取り出して、2人の肩に掛けてやると、後ろから近寄ったせいもあって、リサさんがビクッっと身体を硬直させていた。
「ああ、ごめん、不用意に後ろから近付いてしまった。許してくれ。」
と言いつつ離れる。
あと、やはり冬だからなのか、暫く身体も拭いてないのであろう……全体から、かなりツーンとする臭いが漂っていた。
取りあえず、2人にライト・ヒールとクリーンを掛けてやると、2人とも「「ヒャッ!」」と小さい声を上げていた。
「じゃあ、取りあえず、俺の別荘へと移動する。
一旦落ち着いてから、服とか靴とかを揃える感じで良いかな?」
と言うと、二人は「「ハイ」」と小さく答えた。
しかし、表に止めたソリを見て、
「「え? 何これ!?」」と声を揃えて驚いている。
フフフ、聞いてくれ! これは俺が一ヵ月の歳月を使って開発した、冬季限定高速ソリなんだぜ!
と心の中で小さくガッツポーズ。
そしてソリのドアを開けて乗せてやり、マダラの毛布を取ってから、別荘に出発した。
「ひゃーーーーー! は、早いですーー!」
「ひーー!!」
と2人の悲鳴が聞こえるが、ドンマイ。
そして、屋敷にの前に止めると、中から、ステファン君とアニーさんが出て来たので、アニーさんには、2人を風呂に入れて、着替えと軽食の用意をお願いし、ステファン君にはマダラの世話をお願いした。
「ジョンさん、一応、2人見つけて来た。アズさん(17歳)はここで働いて貰って、リサさん(16歳)は拠点に連れて行くね。」
と報告すると、
「ほう、お眼鏡にかなう様な子だったのですね?」
と聞いて来たので、
「うん、凄く才能がありそうなんで、勿体無いから色々教えてみようかと思ってね。
それに俺と同じと言うか、逆で男性が怖いらしいから。
何となく放っておくのも気が引けたし。」
と言うと、
「ああ、そっちの興味でしたか……」
と苦笑いしていた。
失敬だな! どっちだと思ったんだよ。
「ああ、そうだ! ジョンさん、忘れてたけど、奥さんつわりできつい時にでもこれ食べさせてやってな。」
と言って、泉の水の入った瓶と、例の果物を一式出してやった。
「多分、この泉の水なら、絶対に良い結果になると思うし、果物も凄く効果あると思うから。
また足り無くなったら、幾らでもあるから、知らせてね。」
と言うと、
「何から何まで、本当にありがとうございます。」
「何いってるんだよ。俺も嬉しいんだから。精々、俺が羨ましくなって結婚願望が出るくらい、幸せな家庭をたまに見せてね!」
と言うと、
「ハハハハ、それは責任重大ですな。」
と笑ってた。
ハハハ、いや、半分本気だからな。
最近見た悲惨な結婚はマックスさんの所。 あんなのばかり見ると、やっぱりねぇ。
だから、幸せな家族を沢山見て、ああ、やっぱり結婚って、家族って素晴らしいと思える様になりたいんだよ。
風呂から上がり、何とかあり合わせの服を借りて着替え、サッパリとした2人に、温かいスープと俺の作った、ハンバーガーを出して貰い、食べる様に進めた。
2人の表情からは、もの凄い戸惑いが見受けられたので、
「ああ、最初に言っておくね。俺は奴隷とかそう言う括りでは君らを見ていないから。
同じ人間として、雇い主と、雇われる人 と言う関係程度の気持ちで良いよ。
但し、俺の所には、あまり大っぴらには出来ない秘密があったりするから、奴隷と言う事で『裏切らない』保証が欲しかっただけだよ。
裏切るのも裏切られるのも、大嫌いだから。
あと、俺、女性にこっぴどく裏切られて死にそうな目(いやまあ最終的に死んだけどさ)にあったから、女性恐怖症なんで、君らをどうこうしようとかってのは皆無だから安心して。
ここに居るのは、俺以外は全員、一応俺の奴隷って事にはなってるけど、普通に雇っている気持ちでいるからね。」
と俺が言うと、ジョンさんもヤリスさんも頷いていた。
「まあ、年下の私が言うのも変だけど、ハッキリ言って、奴隷の身でケンジ様に出会えたのは、本当に幸運だったと、断言出来るわよ。」
とアニーさん。
「そうだね。奴隷になる前より、良い生活をさせて貰ってるし。」
とステファン君。
「そうだね、私達親子も同じだよ。 今回人を増やすって話になったのだって、妻が妊娠して、安定期までは動けないだろうし、出産しても1年は子育てに専念すべきだからと言って、即日動かれた結果なんだよ。
普通では、奴隷に対してそんな待遇なんてあり得ないからね。本当に我々は幸せだよ。な、ユマ?」
「うん、私、ケンジ様だいしゅき! 美味しい物や遊具も出してくれるし。」
とユマちゃん。
「なるほど、では、このあり得ない様な待遇は、ここでは普通と言う事なんでしょうか?」
と恐る恐る聞くアズさん。
「そうだね。まあこんな感じで、ユルーーイ雰囲気だと思って貰えれば大丈夫だよ。
で、申し訳無いんだけど、アズさんは、ここでさっき言った様に、ヤリスさんの産休に伴う仕事を受け持って欲しいんだ。
で、リサさんなんだけど、リサさんは、俺やこのステファン君、アニーさんと一緒に、俺の拠点の方の屋敷で働いて欲しいんだよ。
まあ、特に言うと、錬金なんかのお手伝いとかさ、諸々だね。 2人とも別の場所になるけど、大丈夫かな?」
と聞いたら、もうリサさん、スッゴい目をキラキラさせて、大きく「ハイ!」と言っていた。
ハッハッハ。魔法も錬金も大好きだもんなぁ。
「まあ、良ければ、魔法も俺の知ってる範囲で教えられるし、頑張ってね。」
と言うと、尻尾が真後ろでブンブン振られている様な錯覚さえ見える程、ノリノリだった。
ハハハ。チョロくて助かった。
「じゃあ、明日は、街に着替えとか服とか靴とかを買いに行って貰おうかね。お金はこれで足りるかな?」
と一人大銀貨1枚を手渡した。
給料の話をした後、諸々の注意事項や説明等はジョンさんに丸投げしておいた。
その後、取りあえず、割り振られた部屋を見た2人が固まり、夕食時に並んだ夕食を見て、再び固まる。
ダメ押しには、全員着席して、ご主人と一緒に平然と食べる様に、また固まっていた。
「ここは天国ですか!」
とアズさんが小さく叫んでいた。
◇◇◇◇
一夜明け、興奮醒めやらぬ雰囲気の2人をソリに積んで、衣服類や生活必需品の買い出しに出掛ける。
付き添いは、ステファン君とアニーさんに丸投げ!
俺は村へのお土産が無いかと見て廻ったが、何もこれと言った物が無く、断念した。
買い物は2時間程度で終わり、4人が帰って来た。
割とホクホク顔の女性3人に対し、凄くゲンナリした表情のステファン君に心から手を合わせたのだった。
別荘へ寄って、アズさんを降ろし、俺達は拠点へと出発した。
西門の衛兵が、俺のソリを凄く羨ましい目で見ていた。
なんとなくだが、領主様の所へ話が廻っていそうな予感がするな。
これ勘違いしているけど、確かにソリはソリで凄いんだけど、一番肝心なのは、新雪だろうと関係無く走り回れるマダラと言うハイ・ホースが居ないと無理だからねぇ。
何気に家の子は凄いんですよ。
そして、街中ではセーブしていたマダラが少し本気を出して走り始める。
「ひゃーーーー!」と言うリサさんの新鮮な悲鳴が街道を走って行く。
「そんなに怖いか? 確かにスピードはかなり出てるけど、全く揺れないから大丈夫と思うんだけどな?」
出発して15分経ってもヒーヒーと叫んでいるので、指摘してみると。
「あれ? 確かに全く揺れがないですね。」
と冷静になるリサさん。
途中平原で一度軽く休憩を入れたが、その後は一気に拠点まで走りきったのだった。
マダラのお陰で、トータル6時間程で帰り着いたのだった。
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