第60話 進化 (改)

3日目の朝、一応本日帰還予定なので、早朝から慌ただしい。

朝食をパパッと済ませ、忘れ物が無いかも確認して、別荘を後にした。


お見送りの際に、ユマちゃんが目に涙を溜めて、


「ケンジしゃま、また早めに来てくだしゃい。」

と言われ、可愛すぎて悶絶しそうになってしまった。


くーー! 堪らんな。 思わず、じゃあ帰るの止めるわ! と言いそうになっちゃったよ。



西通りを門へと向かいつつ、途中でガバスさんの店に立ち寄り、挨拶を軽くしてから、街から出る。


「さあ、景気良く走ってくれ!」

と馬に声を掛けると、「「ヒヒン!」」と馬がヤル気を漲らせ、カッカッと蹄の音を鳴らしながら、軽快に早朝の街道を走って行く。

そのスピードは軽く通常の馬の1.5倍は出てる気がする。


「なあ、やっぱ、この馬、スピードおかしくないか?」


「ええ、何か滅茶滅茶速いですよ?」


「進化でもしたんでしょうか?」


「え? 馬って進化する物なの?」


「まあ、生物全般ですが、条件を満たすと進化するらしいです。

馬は滅多に聞かないですが。」

と村人B。


マジか! 動物も進化するのかよ!


こんな時こそ、鑑定の出番である。すると……あーーら、ビックリ、進化していた。

種族が馬でなく、ハイ・ホース という、馬なのか高級なホース(水の出るホースね)なのか判らん名前に代わっているし。

なんか色々と凄そうである。


「あ、進化してるよ。ハイ・ホースって。」

と俺が言うと村人達が凄く驚いていた。



なので、取りあえず、名前を付ける事にした。

右の白と茶の斑模様が、マダラ。 左の栗毛がマロン。


「おし、お前は今日からマダラだ。そっちはマロンな!」

と俺が言うと、


「「ヒヒーーーン!!」」

と鳴いて、嬉し気にしていた。

言葉判るのかな?


<主様ー、名前ありがとー! ボク、マダラだよ>

<名前ありがとーー! マロンって素敵だわ!>

と何故か馬からテレパシーが入った。

えーー!? 従魔って、『魔』限定なんじゃなかったのか?


<お前達、俺の声が聞こえるのか! という事は従魔になったって事か?>

と聞くと、


<<そーだよー!>>

と緩い返事が返って来た。



という事で、久々にステータスを確認してみると、


『ステータス表示』

***********************************************************************

名前:ケンジ(杉田健二)

年齢:18歳(53歳)

種族:ハイパーヒューマン

性別:雄

称号:女神の愛し子

   元始の泉の主

   元始の森の主

   解放到達者

   辺境の王

   魔法の探求者

   重力を制する者

   国を興す者


職業:冒険者・探求者・開拓者・魔道士・錬金士・賢者

レベル:145(解放済)


【基本】

HP:5581

MP:7103

筋力:1582

頭脳:1195

器用:1261

敏捷:1267

幸運:691


【武術】

短剣術:Lv5

剣術:Lv11

棒術:Lv2

体術:Lv3

斧術:Lv3

投擲:Lv10


【魔法】

火:Lv10(解放済)

水:Lv11(解放済)

土:Lv10(解放済)

風:Lv11(解放済)

光:Lv10(解放済)

闇:Lv10(解放済)

聖:Lv8(解放済)

空:Lv10(解放済)

無:Lv14(解放済)


【魔法Ex】

氷:Lv10

雷:Lv8

重:Lv8


【スキル】

状態異常無効

精神異常無効

MP自動回復増(大)

HP自動回復増(大)

早熟

言語理解

習得補助

調理 Lv9

万物創造

気配察知

魔力感知

魔力操作

気配遮断

身体強化

身体加速

土木作業

農耕作業

解体

素材採取

テイミング

調教

従魔強化

王者の威厳

従魔意思疎通(大)

錬金

鍛冶

射撃必中

大地の息吹

詳細解析


【加護】

女神エスターシャの寵愛

異世界の創造神の加護(大)



【従魔】

ピョン吉(キング・キラー・ホーンラビット)

ジジ(ハイパー・シャドー・キャット)

A0(キラー・ホーンラビット)

A1(キラー・ホーンラビット)

A2(キラー・ホーンラビット)

A3(キラー・ホーンラビット)

A4(キラー・ホーンラビット)

A5(キラー・ホーンラビット)

A6(キラー・ホーンラビット)

A7(キラー・ホーンラビット)

A8(キラー・ホーンラビット)

A9(キラー・ホーンラビット)

コロ(シルバー・フェンリル 幼体)

マダラ(ハイ・ホース)

マロン(ハイ・ホース)


***********************************************************************


ふむ、微妙にステータス値が上がってるが、それより、この称号って変なのが増えてるよね。

何、この『国を興す者』って。いや、興さないから。


しかし、何だろうか、魔物じゃなくても従魔になるのか。

ちょっとビックリ。


<そうか、確かに従魔になってるな。従魔って魔物限定じゃなかったのか?>

と聞いてみると、


<え? 僕ら魔物だよー!>

<そうね? 獣か魔物か?って言われると魔物だわ?>

と何故かマロンは疑問形。

というか魔物なの? だって馬って言って買って来てもらったんだけどな?


<ふーーん、そうなんだ? 馬は動物だけど、ホースは魔物なんだよー!>

<えー? そうなんだ。知らなかったわー>


簡単に言うと、馬と同じに見えるけど、かなり混じっているらしい。

鑑定が出来ない人が殆どなので、馬もホースも見分け付かないと。

ホースは基本的に馬よりやや力強く、耐久力も速力も高い。

そして、ハイ・ホースに進化すると、格段に全てのスペックが上がるんだって。

まあ、これはマダラからの情報。マロンは知らなかったらしい。


<あ、じゃあさ、今拠点には他に10頭居るけど、あれもみんなホースかハイ・ホースなの?>

と聞くと、


<そだよ、だけど、ハイ・ホースなのは、ボクとマロンだけだねー。他のみんなは『まだ』進化してないよー>

だと。



で、判った事を纏めると、マダラとマロンは、泉の水とそれに桃とリンゴを食べたのが最後のダメ押しになって進化したっぽい事を言っていた。

なるほど、そう言う事なんですね? 勉強になります。

帰ったら、試しに全員鑑定した後、泉の水と桃とリンゴを与えてみるか。


しかし、本当にビックリしたよ。

知らずに、『家の子(馬)は出来が良い』とかって普通に考えてたけど、

まさかの魔物カテゴリーでしたよ。



<なあ、ところで質問なんだけど、もしかして、拠点までの道って覚えてたりする?>

と聞いてみると、


<うん、任せてよー!>

<私達に任せて、寝てても大丈夫だよー>

と心強いお言葉。


<よし、任せた! 疲れたり、喉渇いたら、教えてな!>

<<りょうかーーい>>


という事で、御者をやっていた村人Cを後ろに下がらせ、俺も一緒に下がった。


「ちょ! ケンジ様、御者!!」

と驚く村の人達に、マダラとマロンの話をしてやると、滅茶苦茶驚いていた。


「つまり、勝手に帰り道を走ってくれるという事け?」


「ああ、寝てても大丈夫だし、何かあったら、起こしてくれるそうだぞ。」



そして、途中、昼食休憩を取った後、そのままノンストップで自動運転で拠点に辿り着いたのであった。



帰り着くと、拠点中の人が笑顔で駆け寄って来て、口々にお帰りなさいと言われ、少しむず痒いというか嬉しい気分を味わった。

やはり、『お帰りなさい』って良い言葉だよな。

帰って来たんだ!って気持ちになるし、それに、帰って来ても良いんだね!ってのも実感出来る。


集会所用に多目的ホールの建物を設置し、そこでお土産物の店を広げると、全員がワイワイと物を見て、選んでいた。


俺は、お留守番していた、Aシリーズと、奴隷の2人……いや、言い方が悪いな、腹心の2人と呼ぼう。 その腹心の2人にお土産を渡してやった。

まあ、お土産のメインは肉串なんだけどな。


そして、厩舎に行って、10頭の馬を鑑定すると、やはりマダラの言う通り、ホースであった。

10頭全員を集め、桶に泉の水を出してやり、それぞれに桃とリンゴを食べさせてやった。

すると、全頭が、薄ら光り、少しだけ大きくなった。

<おい、聞こえるか?>

<ああ!聞こえるよーー 主様ーー!>

<おいらも聞こえる!>

<私も!>

と進化した10頭が返事をする。

そこで、まあ申し訳ないのだが、全員にB0~B9と命名した。

名を貰った馬あらため、ハイ・ホース達がヒヒーーン!と大喜びしていた。

そして、ステータスパネルはこんな感じになった。


『ステータス表示』

***********************************************************************

名前:ケンジ(杉田健二)

年齢:18歳(53歳)

種族:ハイパーヒューマン

性別:雄

称号:女神の愛し子

   元始の泉の主

   元始の森の主

   解放到達者

   辺境の王

   魔法の探求者

   重力を制する者

   国を興す者


職業:冒険者・探求者・開拓者・魔道士・錬金士・賢者

レベル:145(解放済)


【基本】

HP:5581

MP:7103

筋力:1582

頭脳:1195

器用:1261

敏捷:1267

幸運:691


【武術】

短剣術:Lv5

剣術:Lv11

棒術:Lv2

体術:Lv3

斧術:Lv3

投擲:Lv10


【魔法】

火:Lv10(解放済)

水:Lv11(解放済)

土:Lv10(解放済)

風:Lv11(解放済)

光:Lv10(解放済)

闇:Lv10(解放済)

聖:Lv8(解放済)

空:Lv10(解放済)

無:Lv14(解放済)


【魔法Ex】

氷:Lv10

雷:Lv8

重:Lv8


【スキル】

状態異常無効

精神異常無効

MP自動回復増(大)

HP自動回復増(大)

早熟

言語理解

習得補助

調理 Lv9

万物創造

気配察知

魔力感知

魔力操作

気配遮断

身体強化

身体加速

土木作業

農耕作業

解体

素材採取

テイミング

調教

従魔強化

王者の威厳

従魔意思疎通(大)

錬金

鍛冶

射撃必中

大地の息吹

詳細解析


【加護】

女神エスターシャの寵愛

異世界の創造神の加護(大)



【従魔】

ピョン吉(キング・キラー・ホーンラビット)

ジジ(ハイパー・シャドー・キャット)

A0(キラー・ホーンラビット)

A1(キラー・ホーンラビット)

A2(キラー・ホーンラビット)

A3(キラー・ホーンラビット)

A4(キラー・ホーンラビット)

A5(キラー・ホーンラビット)

A6(キラー・ホーンラビット)

A7(キラー・ホーンラビット)

A8(キラー・ホーンラビット)

A9(キラー・ホーンラビット)

コロ(シルバー・フェンリル 幼体)

マダラ(ハイ・ホース)

マロン(ハイ・ホース)

B0(ハイ・ホース)

B1(ハイ・ホース)

B2(ハイ・ホース)

B3(ハイ・ホース)

B4(ハイ・ホース)

B5(ハイ・ホース)

B6(ハイ・ホース)

B7(ハイ・ホース)

B8(ハイ・ホース)

B9(ハイ・ホース)


***********************************************************************



村長の所を訪ねて、村民の結婚に関してと、労働力の不足についてを話し合った。


「そうじゃのぉ、色々あって、男の方が少ないのぉ。

この先の事を考えると、多少は外からの血を入れる方がええんじゃが、なかなか難しいじゃ。

前は、近所の村へと輿入れしたり、逆に嫁に来て貰ったりという交流もしておったのじゃが、こうなると、それも難しいし、問題じゃのう。

労働力は今のところ、まあ何とかなっとるが、この先、農地を増やすとなると、厳しいじゃろうな。

あと、最低働き盛りの男女が15人程欲しいところじゃな。」

と村長さん。


「わぁ……やっぱりそうなのか。どうします? 前にも言った様に、俺としては、余りここを人に知られたくないのですよ。

変な人間が入って来て、折角作った拠点の生活を壊されたくないのでね。

となると、真っ先に頭に浮かぶのは、奴隷を購入して来るって事になるんですが、それも何か違う気がするんですよ。

やっぱり、色々と難しいですね。」


「まあ、ケンジ様の話を聞いたところじゃと、旧ラスティン子爵領は安定しそうじゃから、狙うとしたら、別の領の荒廃した村かのぅ。」

と言っていた。

なるほど、そう言う手もあるか。

まあ、追々考えてみるとしよう。

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 メンテナンスを行い、一部文章の改善等を行っております。基本的な内容には変更ありません。(2020/05/22)


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