第21話 名付け (改)

雪が溶け、やっと春が来たらしい。

冬の間にいつの間にか、誕生日を迎えたらしく、気付けば16歳になっていた。


おそらく元の世界同様に12月31日なんだろうか? 実際には1ヵ月は28日までしか無いのだが、正月を過ぎると歳が1つ増えていたから年末なのか、正月にズレ混んで居るのかは不明である。


冬の間に色々と訓練を重ねた結果、各属性の魔法の発動に成功した。

今では軽い魔法は全属性サクッと使える。

大技はまだ判らんが、取りあえず、写本に載っているシリーズは問題無く使える事を確認した。

これ以上は、改めて図書館にでも調べに行かないと無理かな。


取りあえず、現在のステータスはこうなった。


『ステータス表示』

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名前:ケンジ(杉田健二)

年齢:16歳(51歳)

種族:ハイパーヒューマン

性別:雄

称号:女神の愛し子

   元始の泉の主

   元始の森の主

   解放到達者

   辺境の王


職業:冒険者・探求者・開拓者

レベル:137(解放済)


【基本】

HP:3182

MP:4763

筋力:991

頭脳:783

器用:791

敏捷:895

幸運:531


【武術】

短剣術:Lv2

剣術:Lv7

棒術:Lv1

体術:Lv2

斧術:Lv3


【魔法】

火:Lv1(解放済)

水:Lv1(解放済)

土:Lv1(解放済)

風:Lv1(解放済)

光:Lv1(解放済)

闇:Lv1(解放済)

聖:Lv1(解放済)

空:Lv1(解放済)

無:Lv5(解放済)


【スキル】

状態異常無効

精神異常無効

MP自動回復増(大)

HP自動回復増(大)

早熟

言語理解

習得補助

調理 Lv6

万物創造

気配察知

魔力感知

魔力操作

隠密

身体強化

身体加速

土木作業

農耕作業

解体

素材採取

テイミング

調教

従魔強化

王者の威厳

従魔意思疎通(小)


【加護】

女神エスターシャの寵愛

異世界の創造神の加護(大)


【従魔】

ピョン吉(キング・キラー・ホーンラビット)

ジジ(ハイパー・シャドー・キャット)

名付け待ち(キラー・ホーンラビット×10)


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まあ、色々とツッコミどころが満載だとは思うが、それなりに試行錯誤したり、日々訓練した結果だとは思う。

いつの間にか、色々とスキルが増え、称号や従魔欄が増えたりもしているし、加護も強力になっているみたい。

何故? と思ったが、多分神殿や神社を作って定期的にお参りしたり、季節のお供え物をしたりしてるからかも知れないな。

昔の事を思い出しても辛く感じる事が減ったのは、精神異常無効の効果かも知れないね。

ありがたい事だ。


しかし、良く判らないスキルも増えた。

調教ってなんか、ヤバい響きあるけど、あれかな? ピョン吉やジジや配下達にトイレトレーニングとかさせたからかな?

だとしたら、ちょっと笑えるな。

従魔強化は一緒に訓練したり、狩りに行ったりした結果かも知れないが、身体がデカくなったなぁ~と軽く考えていたが、いつの間にかピョン吉達も進化していたらしい。

今では、ピョン吉は以前より二回りぐらい大きくなってるし。

ジジも成長して、見た目は猫なんだけど、柴犬ぐらいのサイズになっている。

そして、ピョン吉の配下の10匹だが、名付け待ちとか出てるけど、これって名付けろって事だよね?

10個も名前付けるのは、大変だぞ。

A0~A9とか簡単に付けて良いかな? まあ把握し易いよな。

実際に、顔付きとかで判別出来るのは、ピョン吉しか無理だし。


という事で、サクッとA0~A9まで名付けてしまった。

フレンドリーファイヤーを無くす為、冬の間に昇華した錬金の腕で作った首輪というか、ペンダントを付けて上げた。

一応、頑張って、自動調節を付与しているので、成長しても首が絞まる事は無いだろう。

作品には、俺の作品と判る様に、トレードマークを入れる様にしている。

トレードマークは悩んだ結果、旭日旗のマークにした。

これは日本人である俺しか判らないだろうし。




春になったので、家庭菜園を耕し、色々な種を蒔いた。

ピョン吉の配下が増えた分を考慮し、畑の面積は今までの2倍にしたので、大丈夫じゃないかと思う。

これ以上となると、流石に一人では難しいからな。


家庭菜園は、あくまで、趣味の範囲でないと、ダメだ。

だから、片手間の範疇を超えてしまうと、おそらく農業だけをやって過ごす事になるだろう。

それよりも、魔法や錬金、鍛冶なんかをやってみたいと思っている訳だ。

まあ、現在の目標でもあるしね。


ある程度魔法が使える様になれば、旅をしたいし、何処か柵の無い都市や国に行って、美味しい物も見つけたい。

海のある所で、海の幸だって堪能したいし。

ああ、温泉も良いよなぁ~。もう何年も入ってないし。こっちの世界に温泉宿とかあるのかなぁ?


フフフ、夢が広がるよねぇ。



 ◇◇◇◇



春が過ぎ、夏になる頃、久々にピョン吉とジジを連れて、例の泉へとやって来た。

多分だけど、元始の泉ってのが正式名称だと思うんだが。


A0~A9には拠点の守りをお願いしている。

一応、1週間分の食料は多めに出しておいたので大丈夫だろう。


家庭菜園の水まきは、鍛冶と錬金で作ったスプリンクラー任せである。



久々の泉はやはり静寂に包まれており、神々しい空気だ。

そっと、花を踏み荒らさない様に進み、泉に挨拶をした。


思えば、この泉のお陰で生き残った様な物だ。

手で掬って新鮮な水を飲み、一息ついた。


心が洗われるようだな。


勝手知ったる桃の木の横にテントを展開し、今年も桃や他の果物達を収穫させて貰う。

新しく発見した果物もあり、毎日が大漁である。


泉の水も十分に補充し、日々果物も前回以上に収穫する事が出来た。


泉と森に手を合わせてお礼を言いつつ、森を後にしたのだった。



身体強化や身体加速が使える様になったお陰で、移動時間は大幅に短縮されている。

最初にあれだけ苦労して移動したのが、まるで嘘の様である。


心配していたピョン吉もジジも、進化した恩恵か、俺のスピードに遅れる事無く、付いて来ている。

まあ、本来なら魔物である彼らの方が早くて当たり前なのだがな。



1週間振りに拠点に戻って来ると、A0~A9が嬉し気に駆け寄って来た。

全員にただいまと言いながら頭を撫でてやると、嬉しそうにキューキューと鳴いていた。

図体の大きい、11匹の兎に囲まれると、まるで兎の王国に居る様な気になる。


全員で早速捥ぎたての果物を堪能し、泉の水で喉を潤したのだった。




今回、泉への道中で、以前同様に色々な魔物と対峙したのだが、驚く程にアッサリと討伐出来た。

ブラッディ・デス・ベアの他にシルバーの熊も3匹同時に出て来たが、オーガを倒す時よりも早く決着が付いた程。

修練の結果が如実に出ている様で、安心した。



家庭菜園の方だが、キュウリやトマト等は既に食べ頃になっていて、収穫を開始している。


収穫したトマトを使った、ピザやパスタを作ってみたが、実に美味かった。

こうなってくると、小麦や米も作りたくなるが、これは手が掛かりすぎるので、我慢している。


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 メンテナンスを行い、一部文章の改善等を行っております。基本的な内容には変更ありません。(2020/05/21)


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