第9話 目眩と温もり

 真白は光に飛び込んだ途端に、目の前が真っ暗になった。


「真白!」


 りゅかの声が聞こえる。でもりゅかすら見えなくて、自分が崩れていく気がした。上なのか下なのかわからない体。


──ドサッ。


 自分の体が倒れたのだろうか。だが、誰かに真白の体は受け止められていた。


「りゅか……」


 りゅかなのだろうか。しっかりとした胸の暖かさに安堵して真白は意識を手放した。

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