第581話 暗転の霹靂

ウソでしょ!?聞いてないよこんなの。。。

目の前が暗くなる。


今この時の二人がすべて、求め求められる程に募る情愛に全身全霊を傾けていた少女としての、それが正直な反応だった。


そりゃ、シましたけど。

ていうかヤリまくってたけどさ?


けど!そういうのって、なんていうのほら、

マンネリ、、もとい、もっと円熟した関係になって「そろそろ欲しいかナ。。❤」

とか言い出したカップルのところに、お誂え向きにペリカンが運んでくる(比喩です)もんじゃなかったの??


二人でいちゃラブ❤、いちゃいちゃラブラブしまくって、ヤリまくってるのが楽しくてしょうがないあたしに、なんでそんな晴天の霹靂が降ってこなきゃならんのよ!

鳥さん、運んでる途中で落っことしちゃったかな??


ありえない。

てかムリムリムリ、あたしが、このあたしが子育てとか、、

無理だし無駄だし、限界ですっ!!

ありえなすぎて、泣きたいんだか笑いそうなんだが分かんなくなってきた。

(プフゥw,グスン💧)


これがペリカンの手違い的なものでないとすれば、

御天道様とやらが、はしたなく愛欲に溺れた罰として下した仕打ちなのか、てかそんなん単なるイヤがらせだよね!?


受胎告知そのものの衝撃に加えて、ひょっとするとそれ以上にアマリリスを落胆させたのは、

彼女にとって長らくの待望であり、今の彼女には生の喜びそのものだった、アマロックとの甘い睦事の日々が、

”できちゃった”せいで突如打ち切りになってしまったことだった。


この先10ヶ月、その先には脅威と驚異の未知の領域、

あたしは何を生きがいに、どういう立ち位置?精神状態で生きていけばいいんだろう、と茫然自失するアマリリスに、

徐々にではあったが、自分を取り戻すことを教えてくれたのは、いずれも意外な存在だった。


魔族はもちろん、ペリカンの采配も御天道様が導く因果応報も信じない。

アマロックにとって、アマリリスと交わればいずれ孕み、やがて子が産まれてくるというのは、特別な解釈を必要としない、一連の当然な事象に他ならなかった。

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