第522話 雪夜のまやかし#3
”なるほど、こういうのが(も?)好みなわけか
まったく、ストライクゾーンの広いことで”
「はぁ? なんて💢?」
「んっ? ボクは何も言ってないよ。」
スネグルシュカは取り澄ました表情はそのまま、にっこりと笑みを浮かべた。
あれおかしいな。でも確かにスネグルシュカの声じゃなかった、どちらかと言うとアマロック、、?
「そんな幻聴のことなんかより、(幻聴?”なんか”!??)
ボク、お姉さんにお願いがあって来たんだぁ。
ねぇ、聞いてくれる?」
『ねぇちゃん』ではなく、『お姉さん』
もう、きゅんきゅんで胸が苦しいくらい。
「いいわよ、お姉さんに出来ることなら何でも。」
「じゃぁ~~、”どーきん”なんてどう??」
「・・・は?
今、なんて??」
「あははっ、冗談だよ、じょーーだん。
ホントはね、お姉さんに探し出して欲しい人がいるの。」
そう言って、うるんだ瞳で見上げてくる。
「人探しねぇ、、誰を??」
こんな、人間は誰もいない世界の果てで。
「大事な人を、悪い魔法使いのビサウリュークが、ガラスに閉じ込めてどこかに隠してしまったの。
この世界にとって、とても、とーっても大事な人なのに。
ボクは、その人を解放してくれる人を探しているの。」
「・・・・」
「・・・・🐱?」
・・・どうやら”その人”が誰なのか、スネグルシュカは自分から言うつもりはないらしい。
それを突き止めるのも依頼のうち、ということだろうか。
「何か手がかりはないの?
どこか、ってだけじゃねぇ。。
その悪い魔法使いの行方とか。」
「うん、手がかり、ま~~ったくナッシング!」
ガクッ。
誰を探せばいいのか分からない、手がかりもナッシングって、どんな無理ゲーだよ。
でもカワイイから許しちゃうぞ。
・・・
あのおじいさんのこと?
たしか、ナントカ・マロース。。。
長年広く親しまれてきた民話にはよくあるように、ラフレシア厳冬のヒロイン:
そのひとつ、物語というよりは、アイコニックな一連の設定集といったところだが、
そこでは、スネグルシュカは彼女の祖父と組んで、毎冬の彼の一大事業を助けることになっている。
祖父と言っても、子の授かりを願って雪人形を拵えた老夫婦の夫とは関係がなく、彼もまた冬のスピリチュアル、ラフレシアの代名詞とも言える
それだけだったら畏れや忌避の対象となりそうな
毎年の新しい日を迎える前の晩、彼は
まぁ、、あくまでラフレシアのフォークロアなんであって、そういうのがないウィスタリアの子どものところには来ないんだけどねww。
「そっか、もう12月だもんね。」
今が何月何日か、正直なところ自信を持って言えなかったが、”もう12月”と言っても差し支えない時期のはず、多分。
そうするともうすぐ、ジェド・マロースとスネグルシュカの年に一度の大仕事がやってくる。
そんな時に相棒のおじいさんが囚われていたりしたらそれは一大事だ。
訳知り顔にうなづくアマリリスに、スネグルシュカは相変わらずにこにこ、うるうるお目々で見つめるばかりで、
尋ね人が誰なのかを明かそうとはしなかった。
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