第327話 憤《いきどおる・むずかる》#3

「なんか違う。。」


しばらく黙り込んだあと、ファーベルはポツリと返事を返した。

クリプトメリアはその返答にむしろホッとした。

偽物の刷り込みがなされることはなかったわけだ。


「そんなふうにね、本当にアマリリスがオオカミになりたいんだったら、わたし、反対しない。

それがアマリリスの願いなんだったら。

でも――」


次にファーベルが言ったことは、はじめて、クリプトメリアの感覚ともピタリと一致するものだった。


「アマリリスは、本当にそれでいいの?」


「・・・」



それは、永遠に、とは言わないまでも、少なくとも今は分からないことだった。

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