第316話 拒否された同衾
毛布代わりにしていたオオカミの毛皮をクリプトメリアに預けてしまったので、寝具がなくなった。
本物の毛布を引っ張り出してきて、ペチカの上で引き続き寝てもいいのだが、
それならそれで元々寝具のある場所に戻ろうかという気になった。
ところが、
「えー、、何だよ急に。
自分の巣的なものが好きなんじゃなかったん?
多分さ~、おねぇちゃんはもう、人間のベッドとか寝心地悪いと思うよ??」
思いもかけないヘリアンサスの反応に、正直傷ついた。
しかもこいつ、いけしゃあしゃと、ある意味ファーベルと二人きりで寝させろと、、、
「何さ。あたしがおジャマだって言うわけ!?」
「は?
邪魔だよ。狭いじゃん。
ベッドがいいなら他にもあるんだし、そちらをご利用いただく方向でどうすか。」
こ、の、やろう~~!!
8割強の怒りと2割弱の悲しさで蒼白になったアマリリスに、ファーベルが助け船を出した。
「ちょっと、何でそんな意地悪言うのヘリアン!
(あ、怒られてやんの。しかも呼びすてw)
いいよ、アマリリス。
うれしい、一緒に寝よ。」
やっぱりファーベルは優しい。
若干しゅんとなったヘリアンサスにも気をよくして、アマリリスはすっかり機嫌を直した。
「悪いねぇ~、ヘリアン。
お・邪・魔、で⭐」
「まぁ、、、ファーベルがいいならいいけどさ。」
「やーん、ちょっと聞いた、ファーベル?
妬けるんだけどこの弟ってば~。
たまにはおねぇちゃんともハグしよぅ?」
「や、め、ろぉ~❗❗」
ハグ、というよりもヘリアンサスの頭を引き寄せてキスしようとしたアマリリスに、ヘリアンサスは本気で抵抗する構えを見せたが、
結局はアマリリスのするがままに任せた。
以前はアマリリスを二人が挟む形で寝ていたのに対し、アマリリスが左に寄ってファーベルを中央に、という違いはあったが、久々に三人並んで床についた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます