現し身のうつろい
第308話 ”あの山”からの誘い
「一緒に行きたい?」
「そりゃ行きたいわよ・・・
また2ヵ月も帰って来ないんでしょ?
あの山の向うも、見てみたいなぁ。
人間が、オオカミについて行けるのならね。。」
アマロックの問いに、アマリリスは相変わらずどこかフワフワした気持ちで応えた。
その視線の先にある”あの山”は、幾重にもかかる雲のカーテンの合間に青黒く横たわり、アマリリスを
「行けるよ。」
「え?」
「人間がオオカミについて行くのは無理だ。
発想を変えて、人間がオオカミになればいいのさ。」
「・・・それが出来るのはアマロックだけでしょ。
知ってるくせに。変なこと言うのね。」
「クリプトメリアに頼んでみな。
オオカミになりたいんですが、って。」
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