第286話 水を得ぬ魚
「ところでファーベル、何に怯えてる?」
「えっ!?」
並んで歩くヘリアンサスをはじめ、近くにラフレシア語を解する人間は多くいたが、
それはファーベルだけが耳にすることのできた問いかけだった。
「緊張してるよね? そして何かから、おれを遠ざけようとしている」
水から放り出された魚のように、ファーベルはパクパクと言葉にならない声を紡ぎ、質問に答えようとした。
けれど結局それも諦めたようだった。
「だいじょぶ、だから。。。
ありがとね、気にしてくれてうれしいよ。
アマロック」
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