第136話 あれは果たして?

麓に近づくにつれ、次第に気が重くなってきた。


気付いたらもう、丸3日経ってしまった。

仕方なかったとはいえ、みんなさぞ心配していることだろう。


特に、ファーベルのことを思うと胸が痛んだ。


春、一人で幻力マーヤーの森に出掛けるアマリリスを、はじめのうち、ファーベルは泣き出さんばかりに止めた。

正直うっとおしくて、その思いは態度に出ていただろうが、ファーベルはそんなことでは怯まず、かなりしつこく食い下がっていた気がする。


最近はさすがにそんなことはなくなったが、森で道に迷って朝帰りになった時など、

口にこそ出さないが、心配そうな顔でこっちを見ているのを何となく感じていた。


その心配が3日分積み重なった日には、どんな気持ちでいることだろう。

可哀想なことをしてしまった。


・・・ん?


あれは果たして、心配の表情だったろうか?

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