第7話

あのあと、黒猫に拒否の言葉を伝えても全く聞き入れてもらえず、そうこうしているうちに、妻に夕飯の時間だと呼ばれてしまった。

黒猫はにやりと笑いながら美しい妻に抱かれながらゴロゴロと言っている。

何となく面白くない気持ちになりながら、夕飯を淡々と食べた。

夕飯を終えると、黒猫はするっと妻の腕を抜け、実を誘いながら、実の部屋に向かう。

実は黒猫と部屋に入ると黒猫は高圧的に話しかけてくる。

「それでどうするんだ?」

実は等々根負けしてしまった。

「その修行とはどうすればいいんですか?」

「毎日念じることだ」

思ったより簡単な言葉に胸を撫で下ろした。

ただ、日本のサラリーマンは意外と忙しい。

「毎日とおっしゃってますが、本当に申し訳ないですが、たいした時間はとれないと思います」

黒猫は少し呆れ顔になりながら、

「こちらもお前の生活はある程度把握している。

本来ならば毎日何時間も念じて鍛練しなければいけないが、今なら何と毎日二時間!そう、お前の通勤時間をそれに当てればいいようにこちらも補助に入ろう」

なぜそこまでして、自分に能力をつけさせたいのか

全くわからないまま、実は受け入れることにした。正直断ったところで、受け入れてもらえないだろうし。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

今さら遅い 波流 @satomango

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る