5
「気分悪し……、ん?」
トイレから出てきた
服装は至って質素で、単色のYシャツ。下半身は普通にジーンズ。
どちらも長袖長ズボンなので、このクソ暑い中よく耐えられるな、と感心。
しかし、不気味な空気満々。
「……誰だ? オマエ」
しかし、その謎人間は微動だにしない。
そして、ポケットから、
それを恐る恐る受け取ると、謎人間は去って行ってしまう。
そこには、『贄は3人』と、血を想像させる赤い、インクが滲んでいる文字。
何なんだ……。新しい悪戯か?
ピコン。
スマホの通知音が鳴り、ロック画面には柚木から、
『7番線で待つ。遅れんなよ?』
と、催促のメール。
すっかりスマホが定着した右手で、素早く返信する。
催促のメールの下辺りに、出発時刻がどうも御丁寧に表示されている。
『9時57分発、下呂行き、高山本線 7番線にて』
スマホの時計は、9時55分を示している。
結構、トイレに籠っていたからな……。腹痛かったし。
俺は落ち着き払いつつも、7番線への長い道のりを駆けて行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます